600kmブルベを完走するために
BRM809北海道600大雪 通過時刻
BRM809北海道600大雪では、予めPCごとの到着予定時刻を設定していました。予定と結果が以下です。
Close | 予定 | 実際 | マージン | ||
---|---|---|---|---|---|
START | 0.0km | 7:30 | 7:00 | 7:00 | 0:30 |
PC1 | 57.8km | 10:54 | 9:30 | 9:02 | 1:52 |
PC2 | 144.1km | 16:36 | 14:30 | 13:07 | 3:29 |
PC3 | 208.4km | 20:52 | 18:30 | 18:17 | 2:35 |
PC4 | 238.2km | 22:52 | 20:00 | 19:28 | 3:24 |
仮眠ポイント | 308.2km | 0:30 | 23:43 | ||
PC5 | 354.9km | 6:40 | 6:30 | 5:28 | 1:12 |
PC6 | 392.8km | 9:12 | 8:30 | 7:39 | 1:33 |
PC7 | 471.8km | 14:28 | 14:00 | 12:52 | 1:36 |
PC8 | 513.9km | 17:16 | 16:30 | 15:16 | 2:00 |
PC9 | 574.1km | 21:16 | 20:00 | 18:28 | 2:48 |
GOAL | 601.4km | 23:00 | 22:30 | 20:30 | 2:30 |
主な峠は以下。
・PC1〜PC2間:狩勝峠(標高644m)
・PC2〜PC3間:幌鹿峠(標高1081m)
・PC6〜PC7間:北見峠(標高857m)
PC3〜PC4のダウンヒルの他、仮眠後は順調にマージンを稼いでいることがわかります。
仮眠後にPCクローズとのマージンが最小になっていることを考えると、仮眠で2〜3時間を取ることを考慮してどれだけマージンを築けるかがオーバーナイトなブルベの一つのポイントだと言えそうです。
また、仮眠後はマージンが最小になるため、もっとも注意すべき時間帯だと言えます。今回はこの時間に油断からパンクしてしまいましたが、今後は少なくともこの時間には避けるべく注意しておきたいです。
(この時に、@Quinoさんより「2日目はオンタイムでも問題ない」と声をかけて頂いて、落ち着くことができました。ありがとうございましたm(_ _)m )
ライトについて
大雪600では明るいライトを用意しました。
UltraFire 501B XM-L U2
http://www.amazon.co.jp/dp/B0086D0M7O
CREE XML-T6 LED搭載1200ルーメンライト×2
http://www.amazon.co.jp/dp/B00IH9JO5S
UltraFire 501Bは1300ルーメンとの表記ですが、後者の1200ルーメンのライト方がLOWモードでも圧倒的に明るく、同時に点灯するとUltraFire 501Bは付けていることがわからなくなる程です。おそらく1300ルーメンは誇大広告なのでしょう。(単体だとUltraFire 501Bも十分明るいのですが)
大雪600ではこの二つに加えてCATEYEのEL-540の三灯を常時点灯して使用したところ、夜道を走ることが怖くなくなりました。(バッテリー節約のため、CREE XML-T6 LED搭載ライトは2灯のうち1灯のみを使用)
上記は大雪600で参加者の一人が使われていた、Pellorのライト。CREE XML-T6 LEDを7個搭載しており、なんと8000ルーメンです。ゴール地点で受付をしている際に見ましたが、AJ北海道のスタッフも驚くほどの明るさでした。
今のライトで十分ではありますが、これも手に入れたいところです。
600kmブルベを完走するために。
さて、600kmを完走し、SRを獲得して思うことは、ブルベはメンタルなスポーツだということです。
BRM222東京300では、途中で特に理由もないのに時間に余裕がないと思い込み、焦ってリム打ちパンクしてしまいました。
BRM510宇都宮400銚子では、夜が暗くキューシートが読めなくなってしまい、正しい道を進んでいるのか自信がなくなり、大きくペースダウンして尻が痛くなり、更にペースが下がるという悪循環でした。
BRM628群馬600では、雨が続いて気分が盛り下がり、サドルバッグから物が落ちたりライトが点灯しなかったりというアクシデントと、雨の夜道の視界の悪さから余裕を失い、補給を忘れて気力だけでなく体力もなくなり、DNFに至りました。
大雪600では上記のようにPCごとに到着予定時刻を想定しており、計画的に走ることが出来ました。ブルベは長時間の耐久レース的な要素があり、長丁場で起きうるトラブルを事前に想定しておくことと、トラブルが起きた際に冷静さを失わないことが秘訣だと思います。
雨が降りそうなら雨具とマッドガードを、下り坂に備えてウィンドブレーカーを、コンビニのない区間の前に補給を、貧脚を考慮して大きめの歯数のスプロケを、夜道に備えて明るいライトを、起きうる事象を事前に想定して装備や気持ちの準備をしていれば、飛び抜けた身体能力がなくてもどうにかなるのがブルベです。
今回の経験で、仮眠のあるブルベで注意しておくべきポイントも少しわかりました。
焦っているとパンクや事故のリスクが高くなるだけでなく実際に早く疲労しますし、「もういいや」という気持ちになってDNFに近づきます。ブルベは一般常識から考えるとありえないような距離設定なので一見すると完走が難しいように見えますが、参加1年目で普段運動もしていない自分が完走出来たことからも、体力的には意外にハードルが低いスポーツなのではないかと思います。
基礎体力として、100km程度の平地と坂のコースを経験していれば誰でも完走できそうな気がします。
長時間に及ぶ走行中のトラブルを想定し、計画と実績の差分を細かい単位で計測し、冷静に計画を実施していくことがブルベといえるのなら、日常生活にも活かせる経験なのではないかと思いました。
回数を重ねることでブルベで起きうるオーソドックスなトラブルへの対処はできつつありますが、想定外の事態になった際の対応力が今後の課題だと言えそうです。