初のブルベDNF。BRM628群馬600
年初からブルベに初参加して、これまで4回参加、4回完走。完走率は100%。
順調に200km、300km、400kmをクリアしてきました。はじめは200kmの完走で精一杯でしたが、一度もDNFを経験せずにいつのまにかSRに王手がかかっている状態です。
600kmは初挑戦の距離ですが、これまで一度もDNFしていないこともあり、苦労しながらもきっと完走できるのだろうと、どこか楽観的に考えていました。ブルベを始めた当初は高確率でDNFになると覚悟しており、あまり出走することについて周囲に話すこともなかったのですが、今回は話してしまっていたりしていました。…完全に死亡フラグが立ってます。
今回は前回の400kmの経験を踏まえて多くの新装備を投入しました。
ナイトブルベに備えて最大1200ルーメンのライト CREE XML-T6、Garminが命綱であることを実感したので給電用に10400mAhの大容量モバイルバッテリー、坐骨の痛みに対応するためにPBPでの利用率が高いとされるサドルSelle AnatomicaのTitanico X、それに峠に備えてアテナの12-29Tスプロケットを新規購入。
一週間前の時点で当日の降水確率は40%。どんどん確率は高くなっていき、走行ルートによっては50%〜70%の降水確率となっていました。雨具が必要かなあとツイッターでぼやいていたところ、@Quinoさんよりモンベルのスーパーストレッチサイクルレインジャケットとレインパンツを薦めて頂いたので購入。最上位モデルのゴアテックスのものが定番とのことですが、上下で5万円もするので半額のこちらを選びました。ついでにPEARL IZUMIのレインシューズカバーも準備。これで雨でもなんとかなるはずです。
かなりの出費になってしまいましたが、これまでで最も装備に力を入れたので準備は万端。
雨具は準備しましたものの、土砂降りの日のブルベの悲惨さを聞いていたので雨が酷ければDNSするつもりでした。
かくして迎えた6月28日。気になるお天気は!
集合場所の城南大橋の下は雨が流れて川ができていました。集合場所が雨をしのげる場所で良かった。これが雨に当たる場所だったら出走しなかったかもしれません。(DNFしたことを考えると複雑な気持ちですが…)
雨の中次々に集まってくる車を目の当たりにして、この人達はこの雨の中本当に走るつもりなのだろうかと軽い衝撃を受けます。実際には天気を見てDNSされた方が多かったらしいのですが、スタート地点にいるとそんなことはわからないのでした。
雨具はあくまでも道中の不意の雨をしのぐためのもの、という想定です。最初から雨が降るの中走ることは考えていません。しかし、小雨というよりは強い雨が降っており、途中の関越道での降り方を考えると土砂降りになることもありそうです。
迷いましたが、周りの人の迷いのないテキパキとした準備の空気にも影響されて出走することにしました。きっとこれも良い経験になるだろう、と。
雨の中、平然と受付を済ませる参加者の皆さん。7時にスタート。
モンベルのスーパーストレッチサイクルレインジャケットのおかげで走り始めてしまえば意外に雨の中でも問題なく走行できます。これを準備していなければ間違いなくDNSしていたでしょう。
走っていると少しずつに気持ちが盛り上がってきました。雨でも、ロードに乗るのは楽しいものです。
このブルベはPC1までが峠越えコースです。STARTからPC1までの62kmのコースの獲得標高が約1000m、制限時間は4時間丁度。いきなりハードな区間だと言えます。
国道254号、富岡街道を登っていくとこんな景色がお出迎え。天気が良ければもっと見通しが良いのだと思いますが、空は雨雲で真っ白でした。
早速新投入の29Tに助けられながらどうにか峠を登って、10時半にPC1のセブンイレブン佐久平賀店に到着。辛い区間でしたが、この時点ではまだ余裕があります。
この後、長野県内に入ってほどなくすると雨が止み、レインジャケットを抜いで快適に走ることができました。
この後は獲得した標高分を使える、下り基調のハイペースな区間です。気持よく距離を稼いで13時にはPC2に到着。かなり良いペースです。長野県ということでおやきがありました。
晴れ間も見える中、千曲川沿いをサイクリング。開放感のある景色の中、楽しく走ることができました。晴れた日に川沿いを走るのはどこでも楽しいものです。
この後、川沿いに小千谷に向かうことになりますがPC2からPC3までは130kmという長距離区間です。
200km地点ではほぼ10時間で通過できており、1000m級の峠があったにしては非常に速いペースで進めていました。このペースでいけば十分な睡眠時間が取れるはずです。600kmの完走には、折り返し地点までの前半をどれだけ短時間でクリアできるかが勝負だと考えていたこともあり、この長い区間はできるだけ早く通過したかった。なるべく休憩を取りたくなかったので、見かけたコンビニをことごとくスルーしてしまっていました。
都市部を抜けて徐々にコンビニを見かけなくなっていき、自販機すらほとんどないエリアが増えてきました。しかも新潟方面に向かうに連れてまた雨が降り始めます。そろそろ補給しなければ、と思い始めていた時刻に雨が降り始め、同時にGarminやライトの防水に貼っていたラップが剥がれ始めてきていました。また、レインジャケットを出し入れした際にうまく詰め込むことができず、オルトリーブのサドルバッグはうまく閉まらない状態となっており、モノが落ちやすくなっていました。
常に電子機器の浸水と、路面状況と、時間と、サドルバッグを気にしながら走る状態です。普段のブルベとは違うことを気にしながら走ることになり、余裕が消えていきました。
この後、なんとブルベカードを落としてしまいますが、同じDE ROSA乗りということで道の駅でお話した後、一緒に走っていた@yoshi_pedalearさんが気づいてくれました。道を間違って引き返したために気づくことができたのですが、@yoshi_pedalearさんと走っていなければそのままスルーしていたところです。@yoshi_pedalearさん、ありがとうございました!@yoshi_pedalearさんのネオプリマートを写真に撮り忘れていたのが残念です。
気を取り直して進み始めますが、PC3にたどり着く頃には日が暮れており、道はあっという間に真っ暗になりました。PC3では雨が降る中、ガムテープでサドルバッグの補強をしたり、ライトの電池を交換したりと作業していましたが、肝心の補給を失念。後でレシートを見ると、130km走った後にも関わらず携行食のウィダー以外に草大福一つしか買っていません。
道の駅で大きめのパンを買って食べながら走っていたため腹が減っていなかったからなのですが、カロリー摂取量としては不足気味です。後になって思えばこの判断が最大のミスでした。休憩中も降り続ける雨、付かないライト、閉まらないサドルバッグ、ペースダウンで怪しくなってきた残り時間など、いろんなものに意識が向いてしまい、補給のことを考える余裕がなくなっていたようです。
この後PC4に向けて走り始めるも、温存しておいたCREE XML-T6LED搭載ライトはラップが剥がれたせいか浸水して使えなくなっていました。さすが中華ライトです…。(´・ω・`)ショボーン。
逆さにすると浸水するという噂のあるEL-540はラップが剥がれた後もきちんと稼働してくれました。雨になると日本製機器のありがたみが良くわかります。
仕方なくEL-540だけで進みますが、EL-540一灯ではナイトブルベには足りないということは前回の宇都宮400銚子の際に経験していました。雨に加えて街頭のない夜道では、宇都宮400の時以上に路面状況は見えず、スピードが徐々に落ちていきます。宇都宮400では夜に入ると光量不足のためペースダウンしてしまい坐骨痛に襲われるという流れでしたが、今回はセラアナトミカのおかげで坐骨は全く痛くありません。また、今回は途中から@yoshi_pedalearさんと走ることができたため二台分のライトがあり、時折、会話もしながら走ることができたのでかなり勇気づけられました。
しかし、新潟に入ると更に雨は強くなります。雨と暗闇の中走るのは本当につらい。いつしか空腹感を感じ始め、おそらくはハンガーノックに近い状態の中、なんとか60kmを走り終えてPC4に辿り着いた頃には、身も心もほぼ力尽きていました。
コンビニで弁当を買って宿に向かうも、弁当が喉を通りません。この後、2時間程仮眠してから再スタートすれば、まだ余裕を持ってゴールに向かえます。しかし、シャワーを浴びて、弁当を一口だけ食べた後、仮眠から起きることはできませんでした。翌朝、無念のDNFです。
ということで自走して新潟駅へ。気が抜けており、向かう途中で排水口の蓋に滑って転びました。
今回、初投入のSelle AnatomicaのTitanico X。走行後にはこんな形に凹んでしまっていました。しかし、後半ペースダウンしながら300km走ったにも関わらず坐骨の痛みはほぼゼロ。実に素晴らしいサドルです。
今回の新投入パーツの中では最も満足度が高いアイテムでした。ブルベには必須のサドルと言えそうです。
高崎駅で同じくDNFされた参加者の方と偶然遭遇。途中、後ろを走っていたこともあったのでびっくり。R848にフルクラムレーシングゼロ、クランクはデュラエースというスペシャルな構成です。今回はDE ROSA仲間が増えたのが嬉しいところです。(全員DNFでしたが…。)
この方はなんとkindle paperwhiteをキューシートにされていました。是非真似してみたいです。
ということで、SRに王手のかかった600kmは初のDNFという結果に終わりました。
長時間雨の中走ることを想定しておらず、ペースが落ち、精神的な余裕がなくなり、補給をおろそかにしてしまい、ハンガーノックとなっていった、という経緯でした。PC3からPC4の間では空腹感もあったので、かなりガス欠になっていたようです。
PC2より先はほとんど写真を撮っていなかったことも後から気づきました。いつもの調子ではなかったと言えます。
この結果、200kmまでは20kphで走れていましたが、200kmから300kmは15kphにまで落ちてしまっていました。宇都宮400の時とほぼ同じようなペースダウンとなってしまったことが残念ですが、これが実力だということかもしれません。
この後、難易度の低い600kmはもうないのですが、ここまで来たらなんとかSRを達成したいところです。
さて、どうしたものか。
■今回の反省点
- 雨ブルベではレイングローブも必要。酷く濡れて体力を奪い、翌朝同じものを付けて走る気持ちが失せた。(富士登山と同じ)
- 雨ブルベで10時間程度走ると足の裏がふやけてペダルが踏めなくなる。こまめに靴下を新品に交換すべき。
- 600kmでは折り返し地点で着替えがあるとかなりリフレッシュする。荷物を送っておくか、大きめのサドルバッグに着替えを入れておくべき。オルトリーブのサドルバッグLではレインウェアを入れると着替えが入らない。(suew、リベレイトデザインなど購入検討)
- 峠で足がつって大変だった。カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルバランスを意識しておく必要あり。バナナなど。
- 600kmを考えると、ライトは予備も含めると強力なものを3灯以上用意すべき。浸水対策としてラップは多めに持っておく必要あり。
- ホテルはくつろぎ過ぎて仮眠から起きられないというリスクがある。
- Garminの浸水やフリーズに備え、予備のサイコンを付けておくべき。