BRM723北海道600km宗谷岬(前編)
はじめに
Covid19が落ち着いていたため、2022年度の上半期はブルベが予定通り開催されることが多く、順調に200km・300km・400kmを完走。しかし600kmは、5月の興津600を豪雨にてDNFし、6月のもてぎ600は晴天ながら37度という気温に阻まれて熱中症でリタイヤ。600kmブルベを二回連続でDNFしている状況でした。
夏のうちにSRを取るなら気温の低い北で走るしかない。ということで宗谷岬600への参加を決定、
宗谷岬600は風光明媚なことで定評があり、いつかは走ってみたいコースでもあります。SRが確定していれば北海道1300に挑戦しようと思っていましたが、まずはSRを確定させることが優先事項。難度の低い宗谷岬600は、2回連続DNFの悪い流れを断ち切るのに最適なはずです。
スタートまで
2014年の大雪600以来、8年ぶりに滝川へ。今回は手軽に飛行機輪行できるBike Fridayで参加しました。スーツケースを転がすだけなので何の苦労もなく運ぶことができます。
恒例の前夜祭はありませんでしたが、やはり滝川に来たら松尾ジンギスカンを食べないわけにはいきません。
一日目は雨の予報。最初からフルレイン装備の参加者が多かったです。
以前の豪雨のブルベでフロントバッグが浸水してしまったので今回はモンベルのフロントバッグレインカバーを装備。このカバーの効果は高く、長時間の雨にも関わらず中への浸水は免れました。
なんとなくつけてみたサドルバッグのエヴァ弐号機がワンポイント。
スタート〜PC2(172km)
一日中雨の予報でしたが、スタートから約1時間は雨が降らず軽快に走行。留萌あたりから雨走行となりました。小雨というよりは本降り。スタート直後はどんなブルベでもハイペースに進むものですが、今回もかなりハイスピードで、トレインとなって進みます。留萌までのスピードは25.8km/hでした。
この後、留萌→鬼鹿のペースが23.8km/h、鬼鹿→初山別が21.0km/h。強烈な向かい風と雨で徐々に足が削られてスピードが落ちていきます。関東であれば速いペースですが、信号の全くない北海道ではこれがほぼ実際の走行速度なので大したスピードではありません。
多くのランドヌールが苫前のくまさんの前で停止して写真をとっていました
雨は鬼鹿辺りであがり、この日は稚内あたりまではレインジャケットなしに走ることができました。午前中にずぶ濡れになったジャージを日中に乾かすことができたのはとてもラッキー。興津600の時のように濡れたまま日没を迎えて体を冷やしてしまうトラブルはどうにか避けられそうです。
少しだけ晴れ間が覗くと、オロロンライン本来の美しい景色をみせてくれます。
しかし、徐々に向かい風は強くなっていきます。まだ序盤なのに20km/h程度の速度しか出せない。PBPを思い出させる緩めのアップダウンの中、ゆっくりゆっくり進んでいきます。
初山別→天塩のスピードは20.1km/h。
PC2の天塩に到着したのは15:35でした。
PC2。向かい風強くなってかなり消耗しました (@ セイコーマート 天塩川口店 – @seicomart_tw in 天塩町, 北海道) https://t.co/wW6tVOHcfM pic.twitter.com/xhPkN7D5ji
— さかき (@sakaki041) July 23, 2022
PC2(172km)〜宗谷岬〜南稚内のホテル(303km)
天塩から北はコンビニも何もない区間です。この区間は特につらく全く進まない。無心にペダルを回すのみです。向かい風はどんどん強くなり、天塩→ノシャップ岬は18.5km/hしか出せていませんでした。
本来であれば美しいはずの景色も一面の曇天で、ひたすら空は灰色です。
このあたりから、似たようなペースの方を抜いたり抜かれたりの繰り返しになっていきました。自分と同じようなペースの人がいるのはなんとなく心強いものです。
そのうちに、ゆーさくさんと一緒に走ることに。会話しながら走ると時速2〜3kmほどペースが上がってびっくり。人と走るとメンタル的にとても楽なのでした。ゆーさくさん、その節はありがとうございました。助かりました。
コースを少し外れるがせっかくだから行ってみてはとゆーさくさんに促されて立ち寄ったノシャップ岬。達成感があります。行ってみてよかった。
PC3。強烈な向かい風で寒い。やばい。 (@ セイコーマート えびす店 – @seicomart_tw in 稚内市, 北海道) https://t.co/Sf2ExXrKgy
— さかき (@sakaki041) July 23, 2022
PC3到着は20:01。到着時点での貯金は約3時間。
興津600での教訓を踏まえて、ここで汗でびしょ濡れになったインナーを予備のジオラインに着替えました。この判断は大正解。これで心身ともにかなりリフレッシュして進むことができました。
日没時のインナー交換はオーバーナイトなブルベでの毎回のルーティンにすると良さそうです。
PC3の35km先が宗谷岬ですが、PCを出てすぐに雨足が強くなり、稚内をすぎる頃には次第に豪雨へと変わっていきました。強い向かい風と非常に激しい雨。街灯もなく雨と暗闇で路面は全く見えません。
折返しのコースのため、南稚内のホテルで一時休憩してから宗谷岬に向かうことも頭にちらつきましたが、目指していた宗谷岬に一刻も早くたどり着きたいという思いが強く、休憩を挟むことなくそのまま岬に向かいました。
後で知ったことですが、宗谷岬に向かうことなく稚内でDNFした参加者がそれなりにいたらしく、ここで気持ちを切らさずに岬に向かったことが大きな分岐点となったようでした。
22:12 ついに宗谷岬到達。
ここは通過チェックのクイズがありましたが、クイズ内容を確認することさえ手間取るほどの激しい暴風雨でした。
どうにかクイズ内容を確認して折り返すと、ペダルを回さずともスピードが出るほどの強烈な追い風。あっという間に南稚内に戻ることができました。
23:48 ホテル奥田屋チェックイン。到着時点の貯金は3.5時間。
本来24時までのはずの温泉の延長利用や、自転車の部屋内持ち込みを特別に許可いただくなど非常に親切にしてもらい、まさに生き返りました。次に走る際も奥田屋さんを利用したいです。
ずぶ濡れの衣服の水分をバスタオルに吸い取らせシューズには新聞紙を詰めるなど、いろいろと作業してから寝たため、睡眠時間は2時間程度でした。
600でホテルを取るのは久しぶりですが、豪雨の場合には特に温泉とベッドのありがたみが身にしみます。
素晴らしい温泉と快適なお部屋で、ゆっくり休んで二日目に備えることができました。
次の日は雨はふらないはずです、が・・・。
(後編へ)