BRM521興津600 敗因分析
はじめに
2022年のBRM521神奈川600km興津は中間地点の伊那でDNFという結果に終わりました。
興津600は2度完走している好きなコースであり、直前の準備や走り込みもできており、よほどのことがない限りは完走できると考えていたためショックでした。
今後のために敗因分析を書き残しておくことにします。
推移(前半):設楽まで
週間予報では降水確率は30〜40%でしたが徐々に悪化し、前日時点では静岡県内の降水確率は90%。それでも一時的な雨となるはずでした。しかし、結果的には雨はほぼやまず、スタートからDNFまでずっとレインジャケットを着たままの走行をする羽目になりました。
興津600は本来風光明媚なコースなのですが、豪雨の中で走る天竜川沿いはただただつらいだけ。耐えて進むのみです。
それでも200km地点の設楽まではアベレージ20km/hを維持できており、自分にしてはかなり順調に進むことが出来ていました。この時点での貯金は3時間半ありました。
(貯金=ブルベ基準15km/hと到着時間のギャップ)
推移(後半):新野峠〜伊那でのDNFまで
最大の難所である1089mの新野峠も前回と同様のペースでクリアできたものの、その後はペースが落ちていき、最終的に仮眠地点の伊那には前回から2時間遅れで到着。
貯金は2時間以上残っていたものの、リスタートする気力が起きずにこの場所でDNFする結果となりました。
なぜDNFに至った?
では200km地点では3時間半あった貯金がなぜ2時間に減ったのか。また、仮眠場所到着時点で2時間という十分な余裕を持ちながらなぜDNFに至ったのか。その原因を整理してみます。
走行ログ比較
少しコースが異なりますが、2020年との比較をした表がこちら。
前回の走行ログとの比較からみた問題分析
- 200km地点設楽までは前回比30分遅れだが、avg20k/hで到達できていた(問題なし)
- 新野峠の登坂スピードは前回とほぼ同じ(問題なし)
- 峠の下りから平坦区間にかけて、一気にペースダウンしている(ここが問題)
原因
- 一日中続いた雨とヒルクライムでジャージ上下は汗でズブ濡れ状態。ヒルクライム中は体温が維持されており問題なかったものの、この状態で下り・平坦に突入して体が冷えてしまった(この時はかなり寒さを感じており、くしゃみを連発していた)
- 雨が継続しているためレインジャケットを脱げず、一時的に雨が上がった瞬間はあったもののジャージを乾燥させることができなかった。
- 下り・平坦区間に推移した時間は日没の時刻とほぼ一致するため、体温の低下と同時に気温も急激に低下していった。
- 気温が低下する中、全身ズブ濡れ状態で体温とモチベーションが低下し、前回は止まらなかった地点で2回も停止するなど一気にペースダウンした。(2箇所の追加停止時間が合計32分)
- ズブ濡れ状態で体が冷えた状態かつ、雨+夜で視界がほとんどない状態の走行はあまりにもつらく、仮眠明けに再開する気力を失った。
(今から思えば、上記と全く同じ推移でDNFしたブルベが過去に2度もありました)
解決策
- 雨ブルベであることが確定した段階で替えのジャージ一式やソックスなどを持参し、ズブ濡れ状態で下り基調の区間に入り体温が冷えてきたことを自覚した日没の時点で、服を着替えるべきだった
- もし服をドライに替えた段階からペースを取り戻すことができていたら、2時間半以上の貯金を持って仮眠地点に到達できた可能性がある。
- 仮眠地点のすぐ近くにはコインランドリーもあった。濡れた服をコインランドリーに入れた上で仮眠をとり、乾いた服でリスタートすることができたなら、翌日に挽回出来た可能性が高い。
※個人的は400km以上のブルベで長時間の雨となった場合のDNF率がかなり高いため、雨が一日中続く予報に変わったことを確認した上で日没前にDNFを決断してもよかったところです。しかし、新野峠まではかなりのハイペースで走行できていたので今回はこの判断は難しかったと言えます。
再発防止策
「濡れた装備での長時間走行は無理。この状態をなるべく避ける」
- 400以上で雨ブルベとなりそうな場合には、着替えフルセットをジップロックに入れて持参しておく
- 全身ズブ濡れ状態で日没を向かえたり、平坦・下り基調になる場合には早期にドライ装備に着替えて体制を立て直す
- 仮眠時に服を乾かせるよう、あらかじめコインランドリーの場所を抑えておく
終わりに
「この程度の雨なら多分なんとかなる」という見込みの甘さで雨対策を怠り、何度も雨でのDNFを経験しているにも関わらず同じ失敗に陥ってしまいました。
今後は雨を舐めず、走り切るための準備を徹底した上で、予定外の雨の場合には諦めて早期に撤退するといった判断ができるように、十分に事前の検討を行おうと思います。