SR600FUJI
2014年に始めたブルベも今年で4年目。ブルベの各カテゴリーはほとんど制覇しました。最後に残っているのがSR600。600kmで獲得標高10000mを登るというかなり無茶苦茶なカテゴリーです。
ブルベを走るのは約1ヶ月半ぶりなのでちょっと不安ですが、そもそも難度の高いコースなので初回から完走できるとは思っていません。最悪、DNFとなってもいいやという気持ちで挑戦してみました。前日に八王子に宿泊して、午前3時にスタート。
SR600FUJIスタートしまーす。ロードバイクに乗るの久しぶり。どうなることやら。 @ 高尾駅 https://t.co/6FKgL7FGPR
— さかき (@sakaki1104) 2017年7月14日
ここから草津へ向かうのですが、最初から調子が上がらず力が入らず、なんだか眠い。モチベーションがどんどん下がっていく感じです。
この日は非常に暑く、湿度も非常に高かった。序盤の平坦区間が終わり、碓氷峠を上り始めたあたりの気温は38度に達していました(Garmin計測)。丁度、気温があがりきった時刻からヒルクライムをしはじめたことになります。後から気づいたのですが、どうやらこのあたりから熱中症になりかけていたようです。体から異常な量の汗が吹き出る状況。しかし当時は体調不良の可能性は全く考えず、単にやる気が出ないだけだと思っていました。
草津手前のセブンイレブンに到着した頃には、その先に進む気持ちがなくなるほど疲弊していました。コンビニの前に座りこんでアイスを食べて、呆然と空を見ながら30分が経過。まだ大した距離を走っていないのに、もう帰りたくなってきました。
「なんだかやる気が出ない。自分は自転車に飽きちゃったのかなあ」
そんなことを考えながら、どうやって帰るかを調べ始めました。この先を登っても草津に駅はありません。
少し戻って長野原草津口駅に行けば帰れる。そう思ってセブンイレブンを出発しようとしたとき、PBPの時に知り合ったIさんがリカンベントで登ってきました。出発時刻は少しだけ違いますが、同じSR600を走っているのだとか。リカンベントでこのコースを登るというのだから凄まじい方です。
「折角ここまで来たんだから、渋峠を上りましょうよ」
そう励まされて、再び登り始めることにしました。
知り合いの人がいると不思議と気持ちが落ち着きます。SR600は単独行動なので普段のブルベよりも不安感が大きいのです。Iさんと一緒に渋峠を登っていると、元気が出てきました。
渋峠らしい気持ちのいい景色。徐々に標高が上がり気温がさがっていくことも良かったのかもしれません。
なんとか明るい時間に最高地点に到達。気温は14度でした。虫が多く、ゆっくりできる感じでもないので早々にリスタート。
PC4 @ 道の駅北信州やまのうち https://t.co/xgkGf30jZT
— さかき (@sakaki1104) 2017年7月15日
下ったところで暗くなりました。次のPCに到着。
PC5。寝る時間がなくなっていく。。 https://t.co/DGXP9gYGit
— さかき (@sakaki1104) 2017年7月15日
菅平峠を登ったところで零時に。
宿到着。大浴場最高ー (@ ホテルルートイン上田 in 上田市, 長野県) https://t.co/bf2u0HlFWR
— さかき (@sakaki1104) 2017年7月15日
300km地点、上田の宿には1時頃に到着。23時間かけて300km地点にたどり着いたのでavg13km/h。決して速くはないペース。
大浴場がまだ開いていて助かりました。たっぷり休憩してホテルの朝食を頂き、7時頃にリスタート。6時間半くらいのストップ。
美ヶ原あたりからの景色は実に素晴らしく、気分は最高です。霧ヶ峯高原で思わず記念撮影。
ビーナスラインには初めてきましたがとても気持ちのいい道です。
するするっと進んで麦草峠も制覇。渋峠とほぼ同じ標高だということを知らずに登っていました。知らなくて良かったかも。
下りたあたりで暗くなりました。美ヶ原からまともに食べていないのでそろそろ補給したいところ。しかしコンビニさえほとんどない区間です。できれば座って食事をしたい。
そう思ったあたりで丁度レストランがあったので入りました。時間があまりないことを伝えると急いで作ってくださりわずかな時間でリスタートすることができました。「ストローハット」さん、ありがとう。
制限時間60時間をフルに使い切るつもりで走っていたのですが、ダウンヒルで多少貯金ができたのか、思っていたよりも速いペースです。仮眠をとるつもりだった韮崎をパス。この先、富士急ハイランドあたりまで仮眠場所の当てはありません。
たまたま漫画喫茶を発見。仮眠しまーす (@ 快活CLUB 田富店 – @kaikatsu_jp in 中央市, 山梨県) https://t.co/hnQuZ4pADl
— さかき (@sakaki1104) 2017年7月16日
23時前には芦川の手前に到達。レストランでもないかなあと、明かりの輝く方向に行ってみたらなんと漫画喫茶・デニーズ・セブンイレブンが立ち並ぶ夢のような場所がありました。なんという幸運。
デニーズで夕食を食べていると、気持ちは余裕があるのに体が重い。二日目ということもあり、かなり疲れているようでした。予定を変更してこの漫画喫茶にIN。
漫画喫茶で仮眠をとっている間に雨が降ったようですが、走っている間は最初から最後まで雨対策をせずに行くことができました。
道志みちに入ると30〜40kmに及ぶ下り坂で一気にペースがあがり、想定よりもかなり早い時間にゴールに到着。55時間半でした。
ゴールにはなんと@Nullpo_defaultさんが出迎えてくれていました。孤独に走っていたので、誰かが出迎えてくれる嬉しさはひとしおです。@Nullpo_defaultさん、ありがとう!
時をおかず、リカンベントのIさんもゴールに到着。ヒルクライムなのにロードと似たようなペースでゴールされてしまうIさんには脱帽です。
ということで、序盤で一度はDNFを決意しながらも、どうにかSR600FUJIを完走することができました。
草津でのIさんとの邂逅、田富の漫画喫茶を偶然発見したこと、雨に全く降られなかったことなど、今回はかなり運に恵まれたブルベだったと言えます。
今年から制限時間が50時間から60時間に緩和されていることもあり、ゆっくりでも走り続けて長時間の休憩を挟めばなんとか完走できるコースだと思いました。50時間で走るためには仮眠時間をかなり削ることになり、体力も気持ちの余裕もなくなるため、遥かに過酷なブルベとなるでしょう。
これまで走ったどのブルベよりも景色のすばらしいコースでした。大変ではあったけれども、またいつか走ってみたいものです。