ブレストまで何マイル?
ブルベ中心のロードバイクの走行記など

PBP2023 #4 走行編 Loudéacまで (〜435.3km)

9月 12th 2023 in ブルベ

Villaines-la-Juhelまで(119.0km→203.0km)

00:06 Mortagne-au-Percheを出発。眠気はなく、コンディションは良好です。

個人的にはPBPを完走するための最大のポイントは、初日の夜にPC1で短時間の良質な仮眠を取り、睡魔に襲われずに十分なマージンを持って2日目の仮眠場所に到着して長時間眠れるかどうか、だと考えています。


2:45 初日のナイトライド

初日と同じくこの区間もトレインに乗ることで爆速で進み、スタートから8時間半後に200kmに到達しました。自己ベストを上回る、ありえないようなハイペースです。PBP特有のプロトン効果だと言えます。
タイムだけ見ると完全なオーバーペースですが、心拍数は120bpm前後なので負荷はほとんどかかっていませんでした。


Villaines-la-Juhelのコンビニ。レジは大忙し

十分な余裕を持って仮眠を取れるはずだったのですが、PC1手前のコンビニ(小さめのスーパー)に入ったのは失敗でした。PCは混雑するのでPC外の店舗で買い物を済ませたほうが時短になると考えたのですが、同じようなことを考えている参加者が押し寄せてレジの対応が追いつかず、20分以上もここに並ぶ羽目になりました。

今回のPBPは以前よりも食堂が混雑しておらず、食堂は空いているのに街中の店舗の方が人で溢れているということもありました。PCの混雑を懸念して裏目に出てしまったランドヌールは多そうです。


3:38 203.0km地点 PC1 Villaines-la-Juhel


せっかくのハイペースだったのに時間をロスしてしまったのは残念ですが、それでもかなりのマージンを持ってPC1に到着。L組のPC1クローズ時刻まで4時間半の貯金があります。

コントロールでサインをもらい、そのまま仮眠所へ行って1時間半ほど寝ることに。寝起きに先程のコンビニで購入したサンドイッチを食べます。
リスタート時の気温は15度と思っていたよりもかなり暖かかったのですが、明け方の低気温を警戒して念のためアームカバーとレッグカバーを夏用から冬用に変更しました。貯金を2時間ほど残して6:06にリスタート。

Fougèresまで(203.0km→292.5km)

毎回、PBPで最もきついと感じるのはVillaines-la-JuhelとFougèresの間の区間です。

Villaines-la-Juhelまでは平坦基調ですが、ここから先は一気にアップダウンが多くなります。数名の方と会話しましたが、どの方も一様に「Villaines-la-Juhel以降はアップダウンがきつい」と言われていました。
「PBPのコースはずっと続く坂のようだ」とよく言われますが、その意味では坂の続くVillaines-la-Juhel以西こそ「PBPらしいコース」と言えると思います。

コースプロファイルからこの区間のつらさが分かりづらいのですが、三度走って三回ともつらく感じるので、個人的には要注意区間の認識を持っています。
2015年の時はPC1で仮眠と補給に失敗したのか力が出ず、寒さに凍え、朝の霧の中でペースが落ちてしまい、この区間でとても苦労しました。

今回は寒さを感じないほど気温が高く、十分な仮眠と補給を取っていたので、大きな問題なく仮眠後にリスタートすることができました。


1時間ほど走ったところにある街、220km地点のLe Ribay(ル・リベ)には毎回規模の大きな私設エイドがあります。



軽食とドリンク販売。よく見るとパリ・ブレストも売られている。

補給は足りていたのですが、懐かしの場所なので思わず入ってしまいました。10分程度停止してすぐに自転車に戻ります。


応援の飾り付けが嬉しい

しかしやはりこの区間はつらく、すぐ疲れてしまいなかなか進まない。242km地点のAmbrières-les-Vallées(アンブリエール=レ=ヴァレー)の私設エイドにも吸い込まれるように入ってしまいました。


8:09 242km地点 Ambrières-les-Valléesの私設エイド


走行速度自体も初日よりかなり遅く、しかも20kmごとにエイドに入って休憩してしまっているようなまずい状態です。

しかし、ここでペースが落ちることを予見して、約2時間の貯金を残してPC1を出発していたのでペースダウンしてもまだまだ想定の範囲内。また、つらいようなら前回カフェに入ったこの先のGorron(ゴロン)で休憩することも考えていました。



9:04 256km地点 Gorron通過

幸いなことに徐々にペースは戻り始め、今回はGorronで休憩しなくてもよさそうです。Gorronではトイレ休憩だけで先に進むことにしました。

こんな具合で細かい休憩をはさみながら、どうにかPC2 Fougères(フジェール)に到着することができました。


10:43 292.5地点 PC2 Fougères


コントロールは国旗だらけ


ジャンボン・サンドイッチとクロワッサン

フランスパンを切ってハムを挟んだジャンボン・フロマージュというサンドイッチやクロワッサンはほとんどのPCで販売されています。サンドイッチは固くて顎がつかれますがクロワッサンは柔らかい。しかも美味しく、都合のよいことにカロリーが高い。

長期保存食として売られているパンを日本から持ってきていましたが、フランスのクロワッサンはそんなものを食べるのがもったいないほど美味しいことに気づきました。以降、頻繁にクロワッサンを食べていくことになります。


11:19 Fougères出発

Fougèresでは意識して素早く動き、食事をとった上で35分の停止時間でリスタート。PBPの広いPCでこの停止時間なら満足です。
この時点で貯金は約3時間ありますが、2日目の仮眠時間としてはまだ足りないのでこの後の区間で稼ぎたいところです。

Loudéacまで(292.5km→435.3km)

当初の予定に比べると約1時間早くPC2を出発することができました。依然としてペースはあがらないものの、気持ち的な焦りはない感じ。

コースのアップダウンはこの先も変わらず続きますが、今回はここからの気温の上昇が激しく暑さに悩まされます。
10:43にPC2 Fougères到着時の気温は16度でしたが、14:03にTinténiacに到着した際には32度になっていました。わずか3時間半で16度も気温が上昇していたようです。フランスは湿度が低くからっとしていますが日差しは非常に強いのが特徴です。
他の参加者のタイム経過をみるとこの時間帯のペースが悪いように見えますので、この暑さにやられてしまった方が多かったのかもしれません。今回の鬼門区間だったと言えます。


12:53 大手スーパー「E.Leclerc」の幟を掲げた私設エイド。

途中でアームカバーを夏用に変更して気温上昇に対応。レッグカバーは面倒だったので夏用に変更せずに外したままで走ったところ、ほんのわずかな時間で酷く日焼けしてしまい後悔しました。


13:57 353.5km地点 PC3 Tinténiac


Tinténiacの食堂

道中、持参した補給食を食べていたのですがパンや菓子ではどうも力がでない気がしたので、Tinténiacの食堂で肉とパリ・ブレストを食べます。もっと腹にたまるチョイスをすればよかったと軽く後悔しました。ここも35分程度の停止時間でリスタート。


15:05 木陰で仮眠する参加者たち

十分な休憩を取っていたのですが、Tinténiacから25km先のQuédillac(ケディアック)でも停止しています。ここはコントロールではないので通過しても良いのですが、30度以上の気温の中で走行し、疲労が溜まってきていました。Quédillacでは16分ほど小休止。


15:47 378.5km地点 WP Quédillac

この後は暑さ対策と暇つぶしをかねて塩分タブレットをひたすら食べながら無難に進み、18:55にLoudéac(ルデアック)に到着することができました。


18:55 435.3km地点 PC4 Loudéac

PC1のVillaines-la-Juhelを出発したのが朝の6時なので、232.3kmを約13時間で走った計算です。平均時速に換算すると17.86km/h。初日のハイペースを考えるとかなり遅く、この区間でブレーキがかかっていると言えます。地形的に苦手なコースであり、PC/WPの間隔が短いこともあってどうもペースがあがりませんでした。

それでもLoudéac到着の時点でPCクローズ時間との差は5時間近くに広がっていました。これだけの貯金があれば十分な睡眠時間が取れる。

そのはずだったのですが…

(続く)


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ドロップバッグ預入〜スタートまで
飛行機輪行による機材の破損というトラブルを多くの人の支援でどうにか乗り越えることができ、いよいよスタート当日になりました。
まずは所定の場所でドロップバッグを預けます。

ドロップバッグの預かり時刻に合わせて動き出す日本人たち。

ドロップバッグ回収

2019年に滞在先として利用したホテル、「Best Western Paris Saint Quentin」が今回のドロップバッグの預かり場所でした。この影響でサン=カンタン=アン=イヴリーヌの周辺は日本人だらけ。この街にいると、まるで日本のブルベに出るかのような錯覚を覚えます。

思い出のベロドローム

この場所は2015年のスタート場所だったベロドロームの近くなので、つい寄り道して記念撮影。このベロドロームはついお参りしたくなるPBPの神社のような場所だと言えます。今回は無事に完走させてくださいね、とお祈り。

サン=カンタン=アン=イヴリーヌ駅からランブイエ駅までは乗車時間30分ほどで行くことができます。電車は1時間に1本程度しかないようですが、自分の出走時刻は18:45なのでホテルを15時に出れば余裕を持ってスタート地点に着けるはず。

午前中にドロップバッグを預けた後、ナイトライドに備えて直前まで仮眠とろうと考えていましたが、なかなか眠れずに14:30になってしまったので買っておいたパンなどを食べて早々に出発。

Transilien N線の電車内は大混雑。

「自転車の乗客が多すぎて乗れない可能性もある」という噂もあり不安もありましたが、どうにか乗車に成功。車両によって混雑率が大きく異なっていたようでした。先頭車両寄りはかなり空いていましたが中央あたりはかなり混んでいて車両によっては乗るのが難しそうでした。
予定通り15:40頃にランブイエ駅に到着。

フランスにはPAULの店舗が多い

ランブイエの街は出走前のランドヌールで溢れています。スタート時刻まで時間があるので各々カフェで食事を取ったりと出走前の優雅なひとときを楽しんでいるようでした。
日本にも店舗のあるブーランジェリー「PAUL」で少し食べてカーボローディングしたり

第一回先進国首脳会議が行われたランブイエ城

お城を見てみたりとのんびりすごします。

オフィシャルジャージの冬版

防寒インナーを忘れてしまったので、スタート地点のテントで販売されていた長袖ジャージを買っておきました。

ランブイエの会場は広く、動き回るだけでかなり時間をつかいます。あっという間に時間が過ぎて、気づけば17時をすぎていました。出走時刻までは約2時間。出走前に食事を取っておきたいのでミールサービスに向かいます。

17:24 ミールサービスは長い列

17:31 前回より豪華になった気がする食事

ミールサービスには長い列ができておりかなり待たされました。急いで食べ終わると出走まで残り1時間を切っています。そろそろスタート待機列に並ばないといけない。

出走ウェーブの組ごとに列ができているようですが、自分の組であるLの列の最後尾がどこにあるのかわかりづらく、しばらく探して周ります。

17:55 芝生の中に伸びるスタート待機列

L組の列をようやく見つけて並び始めました。まだ車検が終わっていないので不安でしたが、列の途中で車検があるとの噂を聞いて一安心。スタート待機列と車検の列が統合されている案内がなかったのでわかりづらかった。

車検自体は待機列の途中で数名が装備を流し見する程度のもので、前回までのしっかりしたチェックに比べてとても簡素なものでした。スタート時刻が迫っているのになかなか列が進まないので、途中からチェックを省略していたのかもしれません。

18:21 車検後の出走スタンプ

ブルベカードに一つめのスタンプを押してもらい、いよいよスタートです。

18:30 スタート待機列

列が整ってくると、どうやら18:45スタートL組のほぼ最後尾だということがわかりました。
スタートから2時間前から食事の列に並び、1時間前にスタート待機列に並び始めましたが、ウェーブの先頭寄りに陣取るのであれば、もう少し早く動き始めたほうが良さそうです。駅には早めに着いていたのに少々のんびりしすぎたようです。

18:45 スタート!

トラブルはありましたがすべての手続きを終えてようやくスタート。1200kmの旅が始まりました。

スタート〜Mortagne-au-Percheまで(〜119.0km)
毎回PBPのスタート直後は皆盛り上がってスピードを出しすぎている印象があったので、今回は周囲に流されずにマイペースで走ろうと決めていました。様子を見ながら走っていたのですが、ウェーブの最後尾付近だったこともあってか、周りのスピードが思っていたほど速くないようです。

心拍数があがっていないことを確認しながら多少スピードアップし、無理なく乗れるトレインについていきました。

20:33 スタートから約二時間後。徐々に前後のウェーブが混ざり始める

21:16 Châteauneuf-en-Thymeraisの私設エイド

最初のWelcome PointのMortagne-au-Perche(モルターニュ=オー=ペルシュ)はスタートから120km先。ちょうど中間となる60km地点の街、Châteauneuf-en-Thymerais(シャトーヌフ=アン=ティムレ)は小休止にちょうど良い場所です。2015年、2019年はこの街のスポーツバーで休憩しましたが、今回は経路が少し変わってしまいスポーツバーの前を通らないコースになっていました。
その代わりか、公園の前に私設エイドが設置されていたのでオランジーナを飲んで少し休憩。ありがたいことにこの裏の公園内にトイレもありました。休憩していると、現地に住んでいると思われる日本人の方から話しかけられてちょっと驚きました。

この区間は24.9km/hで60kmを走破できており、今回の最速区間でした。とても順調です。

21:30 ランタン・ルージュが美しい

フランスは緯度が高く、この時期暗くなるのは21時すぎです。この時間を過ぎると初日のナイトライドに突入。序盤の区間は比較的平坦なこともあり、大規模なトレインにも助けられてモルターニュ=オー=ペルシュまでの60kmも負荷なくハイペースで進むことができました。

23:43 モルターニュ=オー=ペルシュ

119km地点のモルターニュ=オー=ペルシュには23:43に到着。約5時間で119kmを走破できているので悪くないペースです。予定より2時間以上早い到着でした。

サンドイッチなど軽食販売

次のPCでの仮眠時間確保のためここは早く出たいところ。
時間の取られる食堂には入らずに、お手洗い、水補給、サンドイッチ購入だけ済ませ、25分の停止時間で0時過ぎにリスタートしました。

ここまでは非常に順調に進行できています。しかし、PBPの難所はここからだと考えていました。

(続く)

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往路Loudéacでの失敗

ドロップバッグのある最大のPC、Loudéac(ルデアック)には19時に到着することができました。クローズ時刻の約5時間前。走行計画より2時間も速いペースです。

19:01 コントロール

19:02 コントロールのすぐ側で眠るランドヌール達

Loudéacにたどり着くと、いつもなんとも言えない達成感を感じます。つい一休みしたくなるところですが、まだ陽は高く、眠気もないので仮眠は次のSaint-Nicolas-du-Pélemでとる予定。Loudéacでの滞在時間はなるべく短時間にとどめて睡眠時間を確保したまま次に向かいたいところです。

駐輪場から見える場所に日本国旗と方向指示があったためドロップバッグ置場は容易に見つけられました。番号順に並べられているので自分のバッグもすぐに発見。

Loudéacでやるべきことは以下。

シャワー&着替え
食事、水補給
モバイルバッテリー、ライトのバッテリーの交換
補給食を取り出してフロントバッグに収納
防寒装備を取り出してサドルバッグに収納(厳冬期グローブ・冬用ビブショーツ)

時間がなければシャワーは省略するつもりでしたが、余裕があったのでドロップバッグから石鹸とタオルを取り出してシャワー室に向かいます。渡された紙タオルはあまり吸水性のないものでした。マイクロファイバータオルを持参すると重宝しそうです。

シャワーを浴びてすっきりしたところで手際よくタスクをこなしたいところなのですが、どうも頭が働かず、緩慢な動きしかできない。Loudéacにたどり着いたという安心感と達成感、それに400km以上走った疲労が加わって、判断力が極度に低下している状態です。

やるべきことを手順化・リスト化して印刷しておけばよかったのですが、

「えーと、次に何をするのだったっけ・・・?」

と、判断力の低下している状態で一つ一つ考えながら作業したので、非常に効率が悪い時間の使い方になってしまいました。

やるべきことはコントロールに行って、シャワーを浴びて着替えて、ドロップバッグの中身を取り出して装備交換するだけなのに、無駄の多い手順でドロップバッグと自転車との往復を繰り返し、気がつけば到着から1時間以上が経過しています。
また、PCに1時間も滞在しているのに、何も食べず何の補給も済ませていませんでした。

ふと時計を見て時間が経ちすぎていることに気づき、慌ててドロップバッグの中にあったカロリーメイトを食べて補給を済ませます。カロリーメイトは小さいのに栄養価が高くしかも栄養バランスが良いので、短時間で補給する手段としてとても便利。

時間のかかる食堂や売店に行くことは諦めてこれ以上の時間のロスを避け、なんとか20:38にリスタート。
結局、満足に休憩も補給もできていないのに1時間半も停止してしまいました。今回のPBPで最大のミスだったと言えます。

Loudéac到着前には「このままいけばSaint-Nicolas-du-Pélemで4時間くらい眠れるかもしれない」と楽観的に考えていましたが、そこまでの仮眠時間の確保は難しそうです。とにかく次のWP、仮眠場所のSaint-Nicolas-du-Pélem(サン=ニコラ=デュ=ペルム)にたどり着いてなるべく長い睡眠を実現したいところです。

Saint-Nicolas-du-Pélemまで(435.3km→482.0km)

Loudéac以西のブルターニュ地方の冷え込みは激しく、2015年・2019年共に明け方の気温は5度前後でした。往路Loudéacで防寒装備に着替えて気温の低下に備えることがPBPのコツの一つだと考えています。

2023年は全体的に気温が高く、往路Loudéac出発時点の気温が23度もありました。念のため、アームカバーとレッグカバーを冬用に変更して走行を開始。すぐに気温が下がり始めますが、10度台後半で予想よりもかなり暖かい。私は寒さに弱いのでとても走り易い気温でした。

寒さはないものの、LoudéacからSaint-Nicolas-du-Pélemの間はそれなりにアップダウンがあり、疲労の蓄積もあってペースがあがりません。スローペースで進み、どうにかSaint-Nicolas-du-Pélemまであと数キロまで近づいてきたというところでコントロール表記が現れました。

23:00 シークレット

あと数キロあるはずですが、以前もサン=ニコラがシークレット・コントロールだったのでサン=ニコラに到着したものと勘違いしてしまいます。バイクを止めてチェーンロックをかけ、コントロールでサインをもらい、食堂や仮眠所を探しますが見つからない。

おかしいと思いスタッフに確認すると、

「食事と仮眠所は7km先のSaint-Nicolas-du-Pélemですよ」

と言われ、始めてここがサン=ニコラではない別の街だと気づきました。ここはCanihuel(カニユエル)という街だったようです。あわててすぐにリスタート。

23:41 482km地点 WP Saint-Nicolas-du-Pélem

23:41にサン=ニコラに到着。到着時点でクローズ時刻との差は3時間20分ほどでした。

シークレットでのタイムロスもあり、LoudéacからSaint-Nicolas-du-Pélemの56.8kmに3時間もかかっています。Loudéac出発時点から貯金を稼ぐことはできませんでした。

Loudéac到着時の5時間マージンをうまく使えていれば、5時間以上の貯金を確保してサン=ニコラに来れたはずなのですが、Loudéacとシークレットでのタイムロスが重なり仮眠時間を減らす結果になってしまったことは残念です。

Saint-Nicolas-du-Pélemは、前回仮眠中に財布を盗まれてDNFに至った因縁の場所です。この街をノートラブルで乗り越えることは4年間の悲願でした。

仮眠所

今回は前回のように食堂で眠るのではなく仮眠所を使い、財布は盗まれないようにしっかりと懐に入れて寝ることに決めていました。到着後すぐに仮眠所に行き、そのまま倒れるように眠ります。
0時頃に仮眠所に入って2時すぎに起床。結局、睡眠時間は2時間ほどでした。クローズ時刻は2:55だったのでもう少し寝ても良かったかもしれません。
気をつけていたので今回は何も盗まれることはありませんでした。

起床直後にがっつり食事

起きたら食堂に移動してカロリーを補給します。睡眠時間が短くこの先が少々不安ですが、午前3時頃にリスタートしました。

Brestまで(482.0km→604km)

睡眠時間の確保を重要視してクローズ時刻ぎりぎりまでサン=ニコラに滞在したので貯金はゼロに戻っています。

Saint-Nicolas-du-Pélem出発後の区間は前回大会で気温が6度まで低下し、厳冬期グローブを着用してしのいだとても寒い場所です。今回も気温の低下を懸念していましたが、13度までしか下がらなかったため秋用のフルフィンガーグローブで問題なく走行できました。ほとんどの人は指ぬきグローブで対応していた気がします。

4:27 514.9km地点 PC5 Carhaix-Plouguer

4:27、PCクローズの38分前にCarhaix-Plouguer(カレ=プルゲール)に到着。ややぎりぎりですが間に合いました。仮眠後の貯金の少ない時間帯をどうにかしのぐことができて一安心です。パンを買ったりして30分程度の停止でリスタート。

Carhaix-Plouguerまではなんとか走れたのですが、この後、断続的な眠気に襲われることになります。Loudéacでのタイムロスがサン=ニコラでの睡眠時間の短縮に繋がり、その結果この区間にツケが回ってきた構図です。

ときにはバイクにまたがったまま停止してハンドルに突伏し、時には10分だけ道端に倒れ込むなど、マイクロスリープに襲われながら走る状態になってしまいました。私設エイドがあるとすぐに休憩してしまったりとなかなか前に進みません。

7:19 私設エイド

「眠い。また眠ろうか。いやもう少しだけ走ろうか・・・。」

そんなことばかりを考えながら、Brestに向かう峠を登っていたところ

7:54 布団と椅子を貸してくれる私設エイド

峠の山腹に布団と椅子を貸してくれる私設エイドがありました。なんとありがたい!!

道端に倒れての仮眠に比べて椅子に座って布団に包まる仮眠がなんと快適なことか。布団の暖かさが身に沁みます。短時間の睡眠だったと思いますが、効率よくリフレッシュすることができました。私設エイドには本当に頭があがりません。

8:15 569km地点 Sizun(シジュン)通過

一眠りすると調子がでてきました。次第に走行ペースもあがっていきます。20分後には大きめの街で休憩することなく駆け抜けていけるほど元気になっていました。質の良い仮眠は偉大です。

ここまでくれば折返し地点のBrestは目と鼻の先です。風景も山と畑から市街地に変わり、またBrestが見られるという期待感が膨らんでいきます。スピードも戻っており快調に走れていました。

9:36 PBPでは珍しい信号機

ところが、あと7kmほどでBrestというところで、突然右足に激痛が走りました。

右膝を中心に右足の広範囲に酷い痛みがあり、痛みでビンディングペダルをはめることができません。何が原因なのかはわかりませんが、Brestまではあとわずか。
とりあえず右足をペダルから外し、左足のみでペダルを回してどうにかBrestの街に入っていきました。

9:56 604.3km地点 PC6 Brest到着!

この時、右足は痛く全く使えない状況ですが、トラブルについて深く考えることはせず、またBrestにたどり着けたという喜びに浸っていました。

しかし、思っていた以上に右足のダメージは深刻だったのです。

(続く)

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