PBP2023 #2 事前受付とトラブル編
トラブル発覚
ホテルのチェックインは14時からですが、12時頃に到着したところ部屋の準備ができているとのことで運良くチェックインできました。早速ロードバイクを組み立てます。
Campanile Saint-Quentin-en-Yvelines
試しに乗ってみるとチェーンがアウターに入らない。あれ、おかしいな?と思ってよく見たところ・・・
なんと、アウターのチェーンリングが大きく歪んでおり、内側は酷く割れている状態でした。チェーンリングが歪んでいるためクランクが半回転もするとチェーンが脱落してしまいます。
飛行機輪行中に破損したようですが、プラスチックダンボールの輪行箱には傷はなく、外部から非常に強い力がゆっくりと加わったようでした。自転車の積載が多かったので、輪行箱を積み上げるような形で飛行機に載せられたのかもしれません。
アウターは使用不可能ですがインナーは使えたので、どうにか自走できる状態だったのは不幸中の幸いでした。気を取り直して、まずはランブイエの前日受付に行くことに。なかなか前途多難です。
事前受付
サン=カンタン=アン=イブリーヌ駅からN線でランブイエ駅へ移動。駅はランドヌールでいっぱいです。皆、同じ受付に向かっているので、ついて行くと到着。
Bergerie nationale de Rambouillet
2019年にも来た懐かしい受付場所です。左の建物で事前に購入したジャージ、ジレ、フレームバッジやリストバンドなどを受け取って受付完了。
受付の様子
受付に行く時刻はエントリー時に申請しているのですが受付時刻をチェックしている様子は全くなく、単にフレームナンバーをみて袋を取りに行くだけの運用でした。受付時間の指定は混雑を避けるためのもので、実際には何時に取りに行っても問題ないようです。2019年も同じでした。
もう一つの建物では、ジャージのサイズ変更や追加ジャージ購入、それにポスターやTシャツの販売が行われていました。長蛇の列でしたが、時間に余裕があったのでのんびり並んでポスターやTシャツをゲット。段ボール箱に入れてくれたので、ポスターを折ったりすることなく日本に持ち帰ることができました。
受付の地図はこんな感じ。左側の「Check-In」が事前受付の建物、右側の「pointage carnet」が当日の車検場所、右上の赤い「Arrivee/Finish」がスタート&ゴールゲートです。
2019年は事前受付の際に車検を行う形でしたが、2023年は当日のスタート前に車検を行う流れとなり場所も変更されていました。
トラブルリカバリー
さて、受付は終わったもののアウターは完全に使用不能な状態です。
このような壊れ方は初めてで、チェーンリング以外にどこまでのダメージがあるのか見当がつかない。他の箇所にもダメージがあるのなら、1200kmも走れないかもしれません。
あまりにも酷い壊れ方なので問題に向き合う気持ちになれず、呆然としてしまっていました。茫然自失というやつです。
上の空でチェーンリング破損についてツイートしていたのですが、ブルベクラスタの方々が次々と反応してくださり、現地の自転車店の情報を教えてくださったり、ショップにパーツの在庫がないかを聞いてくださったりと皆で助けてくれました。
ダメージの全容が不明なので一軒目ですべてが解決するかどうかはわかりませんが、まずはプロショップで診てもらう必要があります。教えていただいたランブイエの自転車店、Culture Vélo Rambouilletに向かいます。
ショップに持ち込んで状況を説明。酷く歪んだチェーンリングを見て驚いた様子ですが、すぐにパーツ交換を行ってくれました。
幸いアルテグラのチェーンリングの店頭在庫があり、手際良く作業してくれて10分程度で交換完了。念のためインナー側も交換しました。2枚のチェーンリング交換とディレイラー調整をお願いしましたが、明細を見るとパーツ代のみで工賃は請求されていないようです。対応も良く、とても良心的なお店でした。
このCulture Vélo Rambouilletではコンポーネントなどのパーツやタイヤ、工具、自転車本体やウェアに至るまであらゆるロードバイク用品が揃っているお店で、東京都内で例えるならワイズロードの旗艦店やなるしまフレンドに相当するような規模でした。
大げさに言えば、どのような忘れ物をしていても、どのような壊れ方をしていたとしても、このお店にたどり着くことができればPBPに出走できる状態にできそうです。
最悪の場合、修理してくれるお店を探してパリの自転車店を何軒も周り続けることを覚悟していましたが、スタート地点近くの自転車店で解決することができてしまいました。最悪のトラブルでしたが、最良最短のリカバリーができたと思います。
懸念されたその他の部分のダメージはなし。トラブルは予想外でしたが、Twitterの皆さんに実際にこんな風に助けていただけるとは全く想像していませんでした。ただただ、感謝です。
謝辞
チェーンリングが割れてアウター使用不能という酷いトラブルに気づいたのが8月18日の13:40。
飛行機輪行でチェーンリングが割れた…?アウターが使えない。これは困る pic.twitter.com/S6NZEEOMcA
— さかき (@sakaki041) August 18, 2023
多くの人にサポートしてもらい、ランブイエの自転車店で修理が完了したのが8月18日の16:55でした。
破損したチェーンリングの交換完了!Tonyさんをはじめいろいろとご協力いただいた皆様本当にありがとうございました。どうにか走れそうです! pic.twitter.com/bMFOezCK1m
— さかき (@sakaki041) August 18, 2023
トラブル発覚から3時間で修理が完了したことになります。パリ・モンパルナスから50km以上離れた片田舎の小さな街でこのトラブルが短時間で解決するとは全く考えてもいませんでした。
日本の郊外の街でこのトラブルが発生した場合、解決まで数日はかかってしまうと思います。
「R8000系アルテグラのチェーンリングの在庫ありますか?すぐに修理できますか?」
と聞いて10分後に修理を終えてくれる自転車店を地方で見つけるのはかなり難しいはずです。
運良くランブイエに品揃えの良い自転車店があったとも言えますが、問題解決のために多くの人たちが親身に考えてくださったことが、この奇跡のような短時間でのリカバリーを実現させてくれたと思います。
今回のPBPはソロの旅のつもりでしたが、実際には多くの人とつながっていることをこれほど実感したことはありません。
ランブイエのお店に行ってチェーンリングの在庫を抑えてくださったTony Tさん(@GTraveller)を始め、すきやさん(@mousou_engine)、クマさん(@BP5CRUNNER)、トルメキアの猫使いさん(@ZombieweeklyJP)、Eibbonちゃん(@eibbon59)など、ブルベクラスタの皆さんには非常に感謝しております。改めて、本当にありがとうございました。
また、いいねやRTをしてくれた方々が情報を広めてくれたことも早期の解決に繋がったと思います。
異国の地で呆然となっていた時に多くの方から助けていただき、本当にありがたかったです。心から感謝しております。
ということで、日本人の繋がりのおかげでなんとか万全の状態でスタートできそうです。