PBP2023 #4 走行編 Loudéacまで (〜435.3km)
Villaines-la-Juhelまで(119.0km→203.0km)
00:06 Mortagne-au-Percheを出発。眠気はなく、コンディションは良好です。
個人的にはPBPを完走するための最大のポイントは、初日の夜にPC1で短時間の良質な仮眠を取り、睡魔に襲われずに十分なマージンを持って2日目の仮眠場所に到着して長時間眠れるかどうか、だと考えています。
初日と同じくこの区間もトレインに乗ることで爆速で進み、スタートから8時間半後に200kmに到達しました。自己ベストを上回る、ありえないようなハイペースです。PBP特有のプロトン効果だと言えます。
タイムだけ見ると完全なオーバーペースですが、心拍数は120bpm前後なので負荷はほとんどかかっていませんでした。
Villaines-la-Juhelのコンビニ。レジは大忙し
十分な余裕を持って仮眠を取れるはずだったのですが、PC1手前のコンビニ(小さめのスーパー)に入ったのは失敗でした。PCは混雑するのでPC外の店舗で買い物を済ませたほうが時短になると考えたのですが、同じようなことを考えている参加者が押し寄せてレジの対応が追いつかず、20分以上もここに並ぶ羽目になりました。
今回のPBPは以前よりも食堂が混雑しておらず、食堂は空いているのに街中の店舗の方が人で溢れているということもありました。PCの混雑を懸念して裏目に出てしまったランドヌールは多そうです。
3:38 203.0km地点 PC1 Villaines-la-Juhel
AM3:45、203km地点ヴィレンヌに到着。気温16.5度。経過時間は9時間。200km到達タイムが8時間半という自己ベストのペース。ここまでは順調。寝ます。 (@ Villaines-la-Juhel in Pays de la Loire) https://t.co/lbvrkCWMl8 pic.twitter.com/8UoteTWkSI
— さかき (@sakaki041) August 21, 2023
せっかくのハイペースだったのに時間をロスしてしまったのは残念ですが、それでもかなりのマージンを持ってPC1に到着。L組のPC1クローズ時刻まで4時間半の貯金があります。
コントロールでサインをもらい、そのまま仮眠所へ行って1時間半ほど寝ることに。寝起きに先程のコンビニで購入したサンドイッチを食べます。
リスタート時の気温は15度と思っていたよりもかなり暖かかったのですが、明け方の低気温を警戒して念のためアームカバーとレッグカバーを夏用から冬用に変更しました。貯金を2時間ほど残して6:06にリスタート。
Fougèresまで(203.0km→292.5km)
毎回、PBPで最もきついと感じるのはVillaines-la-JuhelとFougèresの間の区間です。
Villaines-la-Juhelまでは平坦基調ですが、ここから先は一気にアップダウンが多くなります。数名の方と会話しましたが、どの方も一様に「Villaines-la-Juhel以降はアップダウンがきつい」と言われていました。
「PBPのコースはずっと続く坂のようだ」とよく言われますが、その意味では坂の続くVillaines-la-Juhel以西こそ「PBPらしいコース」と言えると思います。
コースプロファイルからこの区間のつらさが分かりづらいのですが、三度走って三回ともつらく感じるので、個人的には要注意区間の認識を持っています。
2015年の時はPC1で仮眠と補給に失敗したのか力が出ず、寒さに凍え、朝の霧の中でペースが落ちてしまい、この区間でとても苦労しました。
今回は寒さを感じないほど気温が高く、十分な仮眠と補給を取っていたので、大きな問題なく仮眠後にリスタートすることができました。
1時間ほど走ったところにある街、220km地点のLe Ribay(ル・リベ)には毎回規模の大きな私設エイドがあります。
軽食とドリンク販売。よく見るとパリ・ブレストも売られている。
補給は足りていたのですが、懐かしの場所なので思わず入ってしまいました。10分程度停止してすぐに自転車に戻ります。
しかしやはりこの区間はつらく、すぐ疲れてしまいなかなか進まない。242km地点のAmbrières-les-Vallées(アンブリエール=レ=ヴァレー)の私設エイドにも吸い込まれるように入ってしまいました。
8:09 242km地点 Ambrières-les-Valléesの私設エイド
走行速度自体も初日よりかなり遅く、しかも20kmごとにエイドに入って休憩してしまっているようなまずい状態です。
しかし、ここでペースが落ちることを予見して、約2時間の貯金を残してPC1を出発していたのでペースダウンしてもまだまだ想定の範囲内。また、つらいようなら前回カフェに入ったこの先のGorron(ゴロン)で休憩することも考えていました。
幸いなことに徐々にペースは戻り始め、今回はGorronで休憩しなくてもよさそうです。Gorronではトイレ休憩だけで先に進むことにしました。
こんな具合で細かい休憩をはさみながら、どうにかPC2 Fougères(フジェール)に到着することができました。
フランスパンを切ってハムを挟んだジャンボン・フロマージュというサンドイッチやクロワッサンはほとんどのPCで販売されています。サンドイッチは固くて顎がつかれますがクロワッサンは柔らかい。しかも美味しく、都合のよいことにカロリーが高い。
長期保存食として売られているパンを日本から持ってきていましたが、フランスのクロワッサンはそんなものを食べるのがもったいないほど美味しいことに気づきました。以降、頻繁にクロワッサンを食べていくことになります。
Fougèresでは意識して素早く動き、食事をとった上で35分の停止時間でリスタート。PBPの広いPCでこの停止時間なら満足です。
この時点で貯金は約3時間ありますが、2日目の仮眠時間としてはまだ足りないのでこの後の区間で稼ぎたいところです。
Loudéacまで(292.5km→435.3km)
当初の予定に比べると約1時間早くPC2を出発することができました。依然としてペースはあがらないものの、気持ち的な焦りはない感じ。
コースのアップダウンはこの先も変わらず続きますが、今回はここからの気温の上昇が激しく暑さに悩まされます。
10:43にPC2 Fougères到着時の気温は16度でしたが、14:03にTinténiacに到着した際には32度になっていました。わずか3時間半で16度も気温が上昇していたようです。フランスは湿度が低くからっとしていますが日差しは非常に強いのが特徴です。
他の参加者のタイム経過をみるとこの時間帯のペースが悪いように見えますので、この暑さにやられてしまった方が多かったのかもしれません。今回の鬼門区間だったと言えます。
12:53 大手スーパー「E.Leclerc」の幟を掲げた私設エイド。
途中でアームカバーを夏用に変更して気温上昇に対応。レッグカバーは面倒だったので夏用に変更せずに外したままで走ったところ、ほんのわずかな時間で酷く日焼けしてしまい後悔しました。
タンテニアック到着。全然力が入らないので肉を食べます。 (@ Espace Ille et Donac, Tinténiac) https://t.co/gsQMSTxYL2 pic.twitter.com/ks73wqcvcu
— さかき (@sakaki041) August 21, 2023
道中、持参した補給食を食べていたのですがパンや菓子ではどうも力がでない気がしたので、Tinténiacの食堂で肉とパリ・ブレストを食べます。もっと腹にたまるチョイスをすればよかったと軽く後悔しました。ここも35分程度の停止時間でリスタート。
十分な休憩を取っていたのですが、Tinténiacから25km先のQuédillac(ケディアック)でも停止しています。ここはコントロールではないので通過しても良いのですが、30度以上の気温の中で走行し、疲労が溜まってきていました。Quédillacでは16分ほど小休止。
この後は暑さ対策と暇つぶしをかねて塩分タブレットをひたすら食べながら無難に進み、18:55にLoudéac(ルデアック)に到着することができました。
ようやくルデアック到着。少しペース戻ったかも? (@ Stade Saint-Joseph) https://t.co/X6LTEZ8Kx3 pic.twitter.com/iWuVhm38O9
— さかき (@sakaki041) August 21, 2023
PC1のVillaines-la-Juhelを出発したのが朝の6時なので、232.3kmを約13時間で走った計算です。平均時速に換算すると17.86km/h。初日のハイペースを考えるとかなり遅く、この区間でブレーキがかかっていると言えます。地形的に苦手なコースであり、PC/WPの間隔が短いこともあってどうもペースがあがりませんでした。
それでもLoudéac到着の時点でPCクローズ時間との差は5時間近くに広がっていました。これだけの貯金があれば十分な睡眠時間が取れる。
そのはずだったのですが…