ブレストまで何マイル?
ブルベ中心のロードバイクの走行記など

PBP2019 #6 走行編 BrestでDNF(489.6km〜610.2km)

5月 10th 2020 in ブルベ

Carhaix-Plouguerまで(489.6km〜521.0km)

午前4時、Saint-Nicolas-du-Pélemを出発。

出発時の気温は6度。ルデアックを出発する時に着た極地向けインナーに加えて、ドロップバッグから取り出しておいた厳冬期グローブとレインジャケットを装備してスタート。寒さ対策はこれで問題ありませんでした。

DNFを決意したものの、続ける方法はないのか考えながら走ります。しかしDNFを回避する良いアイデアが出てくることはありませんでした。

6:15 Carhaix-Plouguerに到着。朝の霧が非常に濃く、視界がほとんどない状態でした。

Carhaix-PlouguerのPCクローズは05:15なので制限時間をオーバーしていますが、もはや時間に意味はありません。


もう時間を気にする必要もないのでのんびりと食堂に並び


お借りしたユーロでゆっくり食事をとります。


このあとDNFすると思うと急ぐ気になれません。ゆっくり休憩して、明るくなった8時前に出発しました。2時間近くも停止しています。

Brestまで(521.0km〜610.2km)

日が高くなるにつれて霧も晴れ、気持ちの良い青空が広がります。

この区間にはPBP最大の峠があり、ちょっとした山岳区間。結局2日連続でまともに仮眠できていないので、眠気もあり、だらだらと登っていきます。


登っている途中の私設エイドが嬉しい。


標高の高い場所からの景色は素晴らしい。まだ走っていたい。


まだ走っていたいなあ…。


そしてBrestの街が見えてきました。


Brestといえばこの橋です。


ここからBrest。


12:43 PC到着。今回はこの場所にゲートはありませんでした。


前回は、ここまでの仮眠がうまくいかずBrestに到着した直後に芝生で寝てしまい、一度はDNFを決意しながらも思い直して、制限時間を2時間オーバーして出発しました。
なんだかんだあって、今回もほとんど同じ時間にBrestにいるわけですが、今度は本当にDNFすることになってしまいました。

ただただ無念。

DNFの旅

体力的にはまだ走れる状態でしたが、続けるにはリスクがありすぎる状況だったので残念ながらここで終了です。


PCに別れを告げて


気分を入れ替えてBrest観光。お城を見たりしながら


Brest駅へ。


無事にAMEXでパリ行きのチケットを買うことができました。チケット売り場がおしゃれ。


チケット売り場で輪行袋を買えるのですが、小さな超軽量輪行袋でパッキングしていると、売り場のお姉さんが驚いていました。


TGVに乗るのはDNFする人ばかりです。自転車だらけ。

TGVに乗ると、4時間でパリ・モンパルナスまで帰ることができます。こうして、私のPBP2019は終わりました。

(ちなみにモンパルナスからのN線では、アメリカンエクスプレスは使えませんでした。AMEX、本当にフランスで使えない。)


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Saint-Nicolas-du-Pélemまで(444.6km〜489.6km)
2015年の経験から、8月のフランスの夜は寒く一桁台まで気温がさがることがわかっていました。かなり疲労が蓄積しているのでこの後はペースは落ちるでしょう。体温があがらない時に気温が急激に低下すると、寒さで動けなくなる可能性があります。
Loudéacではジャージを着替え、アームウォーマーの上からモンベルのジオラインEXP(極地向けのインナー)を着て夜の気温の低下に備えます。

20:30頃、Loudéacを出発。仮眠ポイントのSaint-Nicolas-du-Pélem(サン=ニコラ=デュ=ペルム)を目指します。走り出すとすぐに日没。ナイトライドに突入です。

1000kmブルベや1200kmブルベは何度も走っていますが、20時間程度走った後で2〜3時間程度の仮眠を入れるのがいつものパターンです。連続で走ったことがあるのは最大でも24時間、400km程度でした。

17:30に出発しているので、この時既にスタートから27時間が経過しています。仮眠ポイントまではわずかに45kmほどですが、27時間寝ずに走り続ける負担は大きくこれまでにない強烈な疲労感が襲ってきます。体が重い。
あと少しだけ体力が持ってくれれば眠ることができる。自分に言い聞かせながら疲れ切った体で暗闇の中をどうにか前に進みます。

幸いトラブルもなく、23時頃にSaint-Nicolas-du-Pélemに到着。
4時間の貯金は維持していますが、マージンが全く広がっていないのでこの区間は15km/h以下でしか走れなかったようです。
寒くなるタイミングで防寒着を着たのは正解でしたが、極地向けインナーはちょっとやりすぎで、暑かった。

仮眠。そして…

Loudéacを出発した時は眠くなかったのですが、この時は疲れ切っていて、ほどよい眠気もありました。これならぐっすり眠れそうです。計算通りです。

睡眠時間を少しでも長くとりたいので、Villaines-la-Juhelの時と同じく到着直後にすぐ食堂の床で眠ることに。受付を済ませてすぐに食堂に向かいます。テーブルと椅子に挟まれた食堂の床スペースが理想のベッドに見える。

時刻は23時過ぎ。仮想クローズ時間は午前3時なので、2時半に起きて3時にスタートするなら3時間は眠れそうです。
アラームで周囲に迷惑をかけたくなかったのでイヤホンを装備し、スマホのタイマーをセット。アイマスクをしてレインジャケットを掛け布団にして、万全の体制で仮眠へGO。疲れているのですぐに眠りに落ちました。

・・・・・
 
・・・・・
 
「むっしゅー、むっしゅー」
 
折角いい感じに眠れたのに、すぐに運営スタッフに足をゆすられて起こされてしまいました。
「こんなところで寝ないで、仮眠所で寝てください」
と言っているようです。

食堂は仮眠する人だらけなのに自分だけが起こされたのは、きっといびきがうるさかったからなのでしょう。
まあ仕方ない。時刻は0時。まだ十分な時間があるし、移動しよう。

荷物をとって寝ぼけまなこで運営スタッフに連れられて仮眠所へ向かいます。寒い。仮眠所は現金でいくらかのユーロを払うシステムでした。現金を払おうとしたところ財布にしていたRaphaのエッセンシャルケースが見当たらない。

・・・財布がない!!!!

https://twitter.com/sakaki041/status/1163577097526358021

慌てて食堂に戻って探したのですが、財布は見つかりませんでした。仮眠している間に盗難にあったとしか思えません。しばらくは財布を探したり、スタッフに聞いたりと駆け回りましたがついに財布を取り戻すことはできませんでした。

疲れ切っていたので記憶が曖昧ですが、寝る時に財布を床に置いたのかもしれません。アイマスクとイヤホンを付け、いびきをかいて眠る自分は盗む側からすれば格好の獲物だったのでしょう。

…財布がない。

途方に暮れていたところ、運営スタッフが仮眠所とは別の建物に連れていってくれました。

「トイレもあるし快適だろ。ここで朝まで寝て行っていいよ。」

シークレット仮眠室

外も屋内も真っ暗だったのでわかりづらいですが体育館のようなかなり広い場所です。床には仮眠用のマットが多数敷いてありますが誰も寝ていません。この後Openする予定の施設なのか、看板がなかったのでDNFや負傷者用の仮眠スペースだったのかもしれません。

深夜1時。電気もついていない真っ暗な広い仮眠室の中で、ぽつんと自分一人だけ。

混乱しながらもとりあえず眠ろうと試みましたが、不安感で眠れない。いや、そもそも寝ている場合ではない。
この後どうすればいいのか、知人に連絡しながら頭を整理します。

<この時の状況>
・パリから489.6km離れた村で、現金をすべて損失
・現在午前1時。仮想クローズ時間まで残り2時間
・財布の中に入っていたもの
 ・250ユーロ
 ・クレジットカード(VISA)
 ・ホテルのルームキー
 ・スーツケースのキー
・首から下げていたので盗られなかったもの
 ・パスポート
 ・ブルベカード
 ・クレジットカード(AMEX)

まずはクレジットカードの停止が最優先だと判断してカードを止めました。ThreeのSIMを挿していたのでプリペイドの電話番号があったのが幸いして数分で停止に成功。セゾンカードの日本人オペレーターが対応してくれました。仮にレンタルのモバイルルーターを使っていたら電話ができずに苦労していたでしょう。

現金はすべて失ったものの、首から下げていたパスポートとブルベカード、それに予備のクレジットカードは手元に残っていました。パスポートを盗られなくて本当によかった。
まだ予備のアメリカン・エキスプレスのカードがあります。これまでは現金を使用していましたが、食堂を含むほとんどの場所でカード決済ができるようでした。カードさえあればなんとかなるかもしれない。ここは海外に強いアメリカンエクスプレスの真価を発揮する時です。

ところが、食堂のレジで使ってみるとアメリカンエクスプレスは使用できませんでした。何度試してもレジでエラーになります。財布を盗まれた言うとレジの人に同情され、

「お代はいいから食べていきなさい」

と言われ、無償で食事をとることができました。ありがたい。でも不安感でいっぱいです。

食事をとりながら調べてみると、なんとAMEXはフランスではほとんど使用できないようです。キャッシングも不可。ただ一つ、ネットで予約できるTGVではAMEXが使えることがわかりました。(夜中にも関わらず知人が調べてくれました)

高い年会費を払っているのにいざというときにAMEXがこれほど頼りにならないとはなんということか。財布を盗んだ犯人よりも、AMEXに腹が立ちました。何かに腹を立てないとやりきれない気分でもありました。

DNF判断
現金をすべて失い、どうやら唯一残っているクレジットカードはほぼ使い物にならないようです。

ルデアックで追加したばかりなので補給食はありますが、補給食はあくまでも食事の間のつなぎです。補給食だけで復路のルデアックに行くにはカロリー量が少なすぎる。

このまま続けるか、DNFするかを考えなければなりません。

<続ける場合>
・手持ちの補給食で行けるところまで行く
・アメリカンエクスプレスカードが使えるお店を頑張って探す
・食堂で、また無償でもらえないか交渉する
・誰かにお金を借りる

<DNFする場合>
・DNF向けの輸送手段を利用する。(無償の移動手段が存在するのか不明。大規模PCであるLoudéacまで戻るとありそう)
・最寄りのTGVの駅まで自走する。

パリから走ること489.6km。ここまで来たのだからなんとか続けたい。なんとかならないかと考えましたが、継続は難しいと判断せざるを得ませんでした。PCごとに食事とお金の無心を求めながら走り続ける、などということが現実的だとは思えません。

しかしDNFするとしてもSaint-Nicolas-du-Pélemには鉄道は通っていないしお金もない。最寄りのTGVの駅はGunigamp(35km)とSaint-Brieuc(42km)のようです。この距離なら問題なく行けるでしょう。
しかしコンディションに問題がないのにここまできて引き返すのはあまりにも悲しすぎる。せめてBrestの街を見たい。Brestまでは残り120kmほどでした。

どうしたものか迷っていたところ、たまたま同じ場所にいた日本人の方が親切にも50ユーロを貸してくださりました。(Nさん、本当にありがとうございました)。
Brest・Paris間の鉄道料金は28ユーロ。もしTGVでもAMEXが使えないとしてもこれだけあればパリに帰ることができます。

Brestまで行って、そこでDNFすることを決めました。

https://twitter.com/sakaki041/status/1163629566063255553
AM3:51のツイート。

<区間結果>
・【通過チェック】Saint-Nicolas-du-Pélem(489.6km)
 到着予定時刻 0:00 →実際 23:00

予定通りに到着。仮想クローズ時間である午前3時にリスタートする予定でしたが、トラブルがあったために実際に出発したのは4時頃でした。

結局、ここでも30分程度しか眠ることはできませんでした。

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2019年のPBPは財布盗難のため610km地点のBrestでDNFという結果になりましたが、4年前に比べてうまくいったことや改善したことも多くありました。当初の計画と結果をまとめてみます。

走行計画と睡眠
仮眠計画を立てやすくするため、2015年と同じく17:30スタートを選択しました。17:30は90時間制限組の先頭グループです。このスタート時刻をベースに走行計画を練っています。

前回はスタート直前にうまく仮眠できず、午前4時のVillaines-la-Juhel到着までに眠くなってしまったので今回は昼過ぎまでホテルで寝てからスタート地点に移動。これはうまくいって、PC1まで眠くなることはありませんでした。
直前の食事(Meal Serviceがある)を考慮してもスタート地点には2時間前に到着していれば十分です。現地に近いホテルを確保しておいたほうが睡眠時間が長くとれてより良いでしょう。

しかし、仮眠自体はDNFに直結したので成功とは言えない結果になりました。

1日目のVillaines-la-Juhelでは食堂の床で効率の良い睡眠をとることができましたが、2日目の Saint-Nicolas-du-Pélemでの食堂の仮眠は、途中で起こされ財布を盗まれるという最悪の結果になりました。

どちらの場所でも仮眠所が用意されていたのですが、暗くてわかりづらかったこと、疲れて眠く集中力を欠いていたこと、タイムロスを減らそうと焦っていたことから仮眠所の存在に気がついていなかったことが敗因です。
特に2日目のSaint-Nicolas-du-Pélemでは3時間寝る予定だったので、仮眠所があればそこで眠るつもりでした。仮眠所を見つけられなかったので、やむをえず食堂で寝たことが結果的にDNFにつながったので痛恨の極みです。

※Villaines-la-Juhelの仮眠所は道路を挟んで向かい側。
※Saint-Nicolas-du-Pélemの仮眠所は入り口の門を入ってすぐ右の建物
(ばるさんのblog)

食堂の床で眠るとタイムロスを減らすことができますが、途中で起こされるリスクがあることがわかりました。今後一時間以上寝る場合はなるべく仮眠所を探して使おうと思います。

なお、そのまま走り続けていれば3日目はQuédillacで仮眠するつもりでした。評判の良い仮眠所を使ってみたかった。。。

<別のプラン>
Loudéac到着が19:30では眠れないので、スタートを4時間遅らせて21:30あたりにするという作戦もありだと思います。
この場合、今回のペース実績を元に考えると到着時刻が以下のように変化します

・Mortagne-au-Perche:23時→3時
・Villaines-la-Juhel:4時→8時
・Fougères:10時半→14時半
・Loudéac:19時半→23時半

この場合はMortagne-au-Percheで仮眠してLoudéacに向かうことになりそうです。
2019年の往路Loudéacでは仮眠所の隣で大音量のライブをやっていて仮眠には不向きな環境でしたが、多分0時前には静かになっているでしょう。このタイムスケジュールだとおそらく復路でも0時前後にLoudéacに到着します。ドロップバッグのある場所を仮眠の拠点にできるのは21時台スタートのメリットだと思います。
もしもLoudéacのホテルを確保して、往路復路共に0時前後に到着できたなら、かなりイージーモードのPBPになりそうです。

補給
2015年の最大の課題は補給不足によるハンガーノックだと認識していたため、今回は大量の補給食を用意しました。以下がカロリー摂取の計画です。
Loudéacのドロップバッグに補給食を入れておいて補充するので区間は3つに分けられます。

<カロリー摂取計画>
・第一区間 Start〜往路Loudéac(444.6km)→必要カロリー:4500kcal
 ・PC5箇所:500kcal x 5 = 2500kcal
 ・不足分:2000kcal
・第二区間 往路Loudéac〜復路Loudéac(338.5km)→必要カロリー:3400kcal
 ・PC5箇所:500kcal x 5 = 2500kcal
 ・不足分:1000kcal
・第三区間 復路Loudéac〜Goal(435.7km)→必要カロリー:4500kcal
 ・PC6箇所:500kcal x 6 = 3000kcal
 ・不足分:1500kcal

消費カロリーの基本は1kmあたり10kcal。普段のブルベもこの計算です。PCごとに500kcalを摂取し、不足分を補給食として携帯する形です。

実際には余裕をもって2900kacl程度を補給食として携帯しました。愛用の干し芋、柿ピー、眠気覚ましを兼ねたソイジョイがメインです。その他はもみじ饅頭少々(広島出身なので)。
この構成は甘すぎて食べ飽きました。パンも持っていたのですがパサパサで食べづらく、次はおにぎりなどを携帯したいところです。次回に向けて改善すべき点の一つです。

PCでは最低500kaclを食べるというイメージです。PCでは食欲がおきないこともありますが、とにかく500kcalを腹に詰め込むように心がけました。前回も今回も明け方のVillaines-la-Juhelであまり食べることができず、その後に調子が出なかったことは反省点。Villaines-la-Juhelはレストランが開いていたので、腰を据えてがっつり食べた方がいいかもしれません。
それ以外は概ねハンガーノックを感じることもなく予定通りに推移したと言えます。

また、ドロップバッグには補給食ばかりを詰めていましたが、食事として美味しく食べられるものもいれておくべきでした。激混みするLoudéacの食堂を使わないのは良い判断でしたが、満足感のある食事を詰めていなかったことは要改善ポイントです。

防寒
事前の天気予報は最高気温20度、最低気温11-12度。実際には最高気温25度前後、最低気温6度でした。(Garminでは最高気温が高く出過ぎて不正確なので、最高気温は曖昧です)
昼間の気温はほぼ予報通り。2夜目のSaint-Nicolas-du-Pélem出発時が最低の6度で予報よりも低いですが想定内でした。

夏ジャージ+アームウォーマー&レッグウォーマーを服装の基本にして、昼はUVアームカバーにすることで温度変化に対応。気温9度になった一夜目の朝はこれに加えてレインジャケット(上)を羽織り、指ぬきグローブをフルフィンガーグローブにすることで寒さに対応しました。
Loudéacから先は冷えると見込んで更にアームウォーマーの上からモンベル ジオラインEXP.を着込みましたが、ジオラインEXPは少々暑すぎでした。アームウォーマーなしで直接ジオラインEXPを着るか、ジオラインM.Wなどでもよかったと思います。

気温6度に下がったSaint-Nicolas-du-Pélem出発時は、グローブを厳冬期仕様に変更しましたがこれは大正解。自分はかなり寒がりな方ですが、これで気温に対応できました。

なお、レッグウォーマーはずっと装備しっぱなしでした。

まとめると以下です。

<レイヤリングまとめ>
・共通
 ・夏ジャージ
 ・レッグウォーマー
・昼
 ・UVアームカバー
 ・指ぬきグローブ
・夜(10度前後)
 ・アームウォーマー
 ・レインジャケット(上)
 ・フルフィンガーグローブ
・夜〜明け方(5度前後)
 ・アームウォーマー
 ・レインジャケット(上下)
 ・防寒インナー(ジオラインEXP.)
 ・厳冬期グローブ

PBPはかなり気温変化の幅が大きいので、対応するウェアを持っておくことが重要です。これに加えて雨に対応するためのレイングローブとシューズカバーも用意していましたが、晴れ予報だったので携帯することはありませんでした。

2015年の経験があり、フランスの夜が寒いことを理解していたので温度管理はかなりうまくいったと言えます。

真冬ジャージの人も多く、気温の下がるLoudéacから先は厳冬期ビブショーツに変えても良さそうです。今回はずっと晴れていましたが、雨が降れば更に気温が低下すると思われるので、スタート時が晴天でもドロップバッグには真冬装備一式を入れておくべきだと感じました。
また、雨に濡れることを考えると、アームウォーマー&レッグウォーマーは予備を持っておいたほうがベターです。

バッテリー
補給食と同じく1200kmを3つの区間に分け、約400kmごとにvolt800バッテリー2+1本(予備)、15000mhaのモバイルバッテリー1本を消費する計算で用意しました。

結果としてはこの計算で問題なく、往路Loudéacの時点でvolt800は1.5本消費、15000mhaのモバイルバッテリーはBrest直前まで持ちました。次回もこの考え方で良さそうです。

交換が楽なようにバッテリーと補給食の「400kmパック」を作っておいてドロップバッグに詰めておきました。次回もこのやり方でいく予定です。

財布盗難トラブル
2回目のPBPということで悪い意味で慣れてしまい、日本とは治安状況の異なる外国にいるという意識が希薄になっていたことが反省点です。

おそらく仮眠時に財布を体から離れた場所に置いてしまい、盗られたのだと思われます。何があっても盗られない場所に財布をガードする意識が抜けていました。
また、首から下げていた予備カードがフランスで使えないアメリカン・エキスプレスだったため、実質的にキャッシュを分散することができていませんでした。事前に調べておけばAMEXが使えないことはわかったはず。

とはいえ、高い年会費を払っているのに国内でも使えない店が多く、いざという時に海外で役に立たないAMEXには腹がたったので、帰国してすぐにカードを解約。これを機会に所持しているクレジットカードを全面的に見直し、海外旅行保険の付帯が手厚いものを中心にVISAとMasterの構成に変更しました。

ブルベを始めたばかりの頃は、何かがあっても帰宅できるように現金を首からさげていました。異国の地の6000人も参加する大会で、現金を一箇所で管理して雑魚寝してしまったのは、緊張感が欠落していたことが原因です。手痛い失敗として、今後に活かそうと思います。

※後になって思えば、フランスでのAMEXは「全く」使えないわけではなく、TGVやE.Leclerc(大手スーパー)などごく一部では使用が可能でした。もしかすると、大都市ブレストにはAMEXでキャッシングできる金融機関があったかもしれません。この可能性に気づけばDNFを回避できていたことになりますが、当時こんな選択肢に思いが至るはずもなく、結果論です。

感想
財布を盗まれるという衝撃的な出来事があったため、走行よりも盗難の印象が強いPBPとなってしまいました。負の記憶が強く、直後はブログを書く気分にもなれないほど落ち込んだほどです。

それ以外の部分を思い返すと、2回目ということで初めての時に比べると感動は少なく、良くも悪くも慣れていました。スタート地点のランブイエを除くと、知っている街と知っている景色。比較的単調なコースでもあります。

綿密に計画を立てて半ば予定通りに進んでいたので、もしすんなりと完走してしまっていたら次回は走らないことにしたかもしれません。

しかし、PBPは他のブルベとは圧倒的に異なるお祭り感があります。4年に一度はパリに行き、このコースを走り、自分の成長や衰えを実感してみたい。PBPはそんな気にさせる大会です。

まとめ(4年後の自分へ)
・走行計画:
 ・スタート地点になるべく近い宿をとっておいたほうが良いが、2019年と同じホテルでも可
 ・次回も17:30スタートで問題なし。
  ・前年の1000kmを完走していないとこの枠は取れない可能性あり
  ・Loudéacのホテルを2泊分確保できたら、21:00か21:30スタートに変更するのも吉
 ・1日目のVillaines-la-Juhelでの仮眠は、仮眠所か道路挟んだ向かいの食堂で寝る方がベター
 ・Saint-Nicolas-du-Pélemでは必ず仮眠所で寝ること

・補給と防寒
 ・PCごとに最低500kacl以上を補給すること。特に仮眠前後の補給が少なくなる傾向があるので頑張って食べること。
 ・Loudéacのドロップバッグには補給食でない、満足度の高い食事を用意しておくこと。
 ・補給食は甘いものだけだと飽きるのでおにぎりを持参できるとベター。
 ・厳冬期ジャケット&ビブショーツ&グローブをドロップバッグに入れておくこと
 ・400kmごとに以下をセットにしたパックを交換すること
  ・2500kcal分の補給食
  ・VOLT800バッテリ3本
  ・モバイルバッテリー1本

・その他
 ・現金とカードを分散して持ち、仮眠時は盗難にあわないよう注意すること
 ・カードはVISAとMasterを複数持っておくこと
 ・ツアーを使う必要はなし。格安航空券のトランジットはリスクが大きいのでエールフランスか日系の直行便を使うこと。
 ・輪行箱を押し歩くのは大変なので、バスかタクシーで移動するか転がしやすい輪行箱に変更すること。

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