ブレストまで何マイル?
ブルベ中心のロードバイクの走行記など

PBP2015の話(3/3):振り返り

1月 16th 2019 in ブルベ

2015年のPBPの推移と課題、それに対策をまとめてみます。

■完走者の王道パターン

PBP2015走行グラフ。横軸が距離、縦軸が制限時間に対してのマージン(貯金)です。
赤線が時間内完走者。青線はDNF&認定外完走者。

これを見ると、448km地点の往路ルデアックまでに貯金を5時間程度作り、往路ルデアックかその先のサン・ニコラで3〜5時間程度ストップして仮眠し、780kmの復路ルデアックまでに貯金を5時間に戻してここでまた仮眠。
あとは大休憩なしでいくか、1089kmのモンターニュ・オ・ペルシュで最後の仮眠、というパターンが完走者の典型的な休み方のようです。

その後、何度か1000km/1200kmを完走した後で見ると、1000km以上のブルベではこの仮眠の取り方が典型的・標準的なものだとわかります。しかし、600kmまでしか走ったことのなかった当時はこのペース配分を知りませんでした。

■自分のペース推移

黒線が私の走行ペース。青線の認定外完走者と同じペースで走りながら、最後の最後で挽回できた、数少ない例外だということがわかります。

時速15km以上で走れている(=貯金を作れている)区間は、220km地点の最初のPC、ビレンヌ・ラ・ジュエルまでと、780km地点の復路のルデアック以降のみ。その他の区間はマイクロスリープの多発で15km/hを維持できませんでした。

往路ルデアックまでに貯金が作れず、ルデアックの仮眠で貯金を使い切った後は、道端で仮眠したりブレストで昼寝したりして、どんどんペースダウン。復路のルデアックでは4時間半も制限時間をオーバーする事態になってしまいました。

363km地点の往路タンテニアックあたりから698km地点の復路カレ・プルゲあたりまで、つまり2日目は胃腸の調子が悪く、補給ができずにハンガーノックになっていったことも眠気の原因になっていたように思います。

復路ルデアックで仮眠をとった後の3日目以降は普段のブルベのペースに戻っていました。

■課題と対策
1)直前と前日に十分な睡眠時間が確保できなかった。
18:30スタートなので翌日夜までは仮眠なしで走るつもりでしたが、すぐ眠くなってしまい、220km地点のビレンヌ・ラ・ジュエル以降は貯金が増やせなかった。
【対策】夕方スタートなのに早々に会場に行ってしまいましたが、直前までホテルで寝ているか、スタート地点近くで寝るなど、直前の睡眠コントロールをするべきでした。

2)ルデアックで深い睡眠がとれなかった。
ルデアック出発後もすぐ眠くなってしまい、途中で何度も仮眠し、ブレストでも爆睡する結果に。これがペースが上がらなかった主要因でした。
【対策】せめて、無理にルデアックで休憩せずに、眠くなる地点まで走ればよかった。

3)十分な補給をしていなかったため、ハンガーノックになっていた。
手元の記録によると、220km地点の最初のPCヴィレンヌ・ラ・ジュエルまでの摂取カロリーは1200〜1500kcal程度。
普段の200kmブルベなら、少なくとも2000kcal以上は補給しています。普段よりカロリーが補給できていませんでした。
この後の異常な眠気もカロリー不足が一つの原因となっている可能性があります。
持参したカロリーメイトは食べていまいたが、ドリンクが補給できない中で、喉につまる食品を走りながら食べるのはかなりきつく、大量には食べることができませんでした。胃腸の調子があまり良くなかったことも痛かった。
【対策】水なしで食べられる補給食が必要。

4)(1)〜(3)の理由でスローペースになり、PCが混雑して停止時間が長時間化した。
最も人数の多い90時間の枠の中で2番めのウェーブでスタートしたたため、スローペースで進むと後続のウェーブと混ざっていきます。この結果、PCの食堂では常に長蛇の列が発生。毎回1時間ほど停止してしまいました。普段のブルベのPCでは、短ければ10分、長くとも30分程度しか停止しないのでこれがかなり痛かった。
【対策】ペースが遅れているときは停止時間を短縮して取り戻す。食堂を極力パスするために、補給食を多めに携帯する。

■まとめ
2015年のPBPは幸運にも時間内に完走できましたが、睡眠と補給のコントロールに失敗した結果、大きなピンチに陥ったと言えます。慣れないフランスの食事が合わなかったためか、胃腸の調子が悪かったことも問題でした。

直前にきちんと寝ることなどは日本の長距離ブルベと同じですが、コンビニのないPBP対策としては、「補給」が最重要だと考えます。
今年のPBPでは、以下に注意することにします。

・PCで長時間停止しなくても良いように、補給食+水を多めに持つ。意識してカロリーを摂取し続ける。
・ドロップバッグに食べ慣れた補給食を大量にいれておく。

PBP 2019年のPre-registrationは無事完了しました。前回の教訓を活かし、今年のPBPは途中のPCも制限時間をオーバーすることなく完走したいものです。


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(前回からの続き)

ブレストにて
折り返し地点のブレストに制限時間ギリギリで滑り込み、倒れるように芝生の上で爆睡。気がつけばPCクローズ時刻の3時間後になっていました。もうこのあとのPCに間に合う見込みはありません。

しばらく悩んだ後、DNFを決意してGoogle Mapsでブレストの駅を探し、向かい始めました。PCの正面から出るとパリに向かう方向に誘導されてしまいます。きまりが悪いので裏口からこっそりと出発することに。なんだか残念な気持ちです。

パリへの乗り換えを調べてみると、レンヌで乗り換えることはわかるものの、パリは広すぎて、パリの中心がどの駅なのか今ひとつよくわからない。宿のあるサンカンタン アン イブリーヌまでどう行くのかも、よくわからない。

なんだかもやもやした気持ちが広がっていきます。

「重い輪行袋を担いで、自走ではなく、電車でパリまで戻るのか…。」

「どの街でも歓迎して迎えてくれた。小さな女の子たちが目をキラキラさせていつも応援してくれた。それなのに自分はDNFするのか…。」
(PBPは、道中のどの村でも沿道で沢山の人が応援してくれます)

「また、600kmでDNFするのか。自分は600kmまでの人になってしまうのだろうな…。」
(前年に1000kmブルベの600km地点でDNFしていました。この時点では、600km以上のブルベは未完走でした。)

割り切れない想いが増していく中、PCからブレスト駅までの道を半分ほど来ました。

「このまま本当に駅に行くのか…?」

「…」

「…」

「…」

「…いや。パリに帰ろう。もう制限時間には確実に間に合わないけど、でも何時になってもいいから、あの道をまた辿ってパリに向かおう。」

ブレスト駅に向かう途中でそう決めて、踵を返しました。

カレ・ブルゲ(698km地点)まで 84km / 9.2km/h

おそらく17時ごろにコースに復帰。まだPBPに参加できていることが嬉しい。もう何時になっても構わない。自走でパリに帰ろう。そう思いました。

600kmより先は、当時の自分にとっては未体験の距離でした。ですが、ブレストで気持ち良く熟睡できたためかそれなりに調子は良い感じ。自走で帰ると決意し、吹っ切れたのでメンタルも前向きです。

21:20 カレ・ブルゲの直前でケバブ屋に入って食事。大量の肉を食べきれず、半分はお弁当にしてもらいました。普通の食事がありがたい。

21:50 カレ・ブルゲに到着。短時間の停止ですぐにリスタート。この時点で、借金は2時間50分。

応援メッセージが道に書いてあります。

ついに行き先表示がパリに!

天気は良く、フランスらしい光景が広がります。

ルデアック(780km地点)へ 82km / 10.1km/h
22時をすぎるとまた夜が来ます。疲れも溜まってくるし休憩したい。でも、3時間近い借金を抱えている。カレ・ブルゲでも、その後のサン ニコラ デュ ペルムでも人の姿は少なくなっていました。これ以上遅れてしまうと、PC自体が閉鎖してしまうかもしれない。開いているうちに、なんとかルデアックまでは辿り着きたい。

途中の屋台でソーセージをクレープで包んだものを買って食べる。味はイマイチ。

街にある、このような私設エイドにはなんともいえない魅力があります。食べている間にも、吸いこまれるように次々にバイクが止まっていく。みんな疲れているんだなあと思うと、なんだか微笑ましい。

この辺りでよく見かけたデンマークの方々

パリを目指して気合いを入れ直して走るも、この後は睡魔に勝てずに何度も道端で仮眠。

ルデアックには19日5:37に到着。ここで、借金は4時間半に達していました。借金が減るどころか増えている。15km/h以下の速度でしか走れていないということです。
当初の予定では、シャワーを浴びて仮眠を取るはずだったのですが、もはやそんな状況ではないと判断。
ケバブ屋で包んでもらった弁当を食べ、これまで温存していたオダックスのジャパンジャージに手早く着替え、今度はモバイルバッテリーも忘れずに持って出発。

ここで、日本人の方から耳寄りな情報を聞くことができました。
「PBPでは途中のPCの制限時間をオーバーしていても、時間内に完走できれば認定がもらえる。別の人がPBPの運営スタッフに直接確認したらしい」とのこと。

伝聞であり、正確な情報ではないかもしれません。しかし、制限時間をオーバーしても、ここまでのコントロールでは何も言われずにスタンプをもらうことができていました。
もし最後の制限時間に間に合えば、認定がもらえるのかもしれない。この情報に望みをかけて、ゴールを目指してみることにします。

残りは400km。600kmを超えているので15km/hで走っても借金は減っていくはずです。これまで経験したことのない、4時間半という大きな借金を考えると、それでも間に合うとはとても思えません。でも、少しでも可能性があるなら、挑戦してみたい。

復路ルデアックは6時半にリスタート。

タンテニアック(865km地点)へ

8月だというのにフランスの夜は寒く、モンベルのジオラインEXPとレインジャケット上下を着てなんとかやり過ごすような気温。

午前九時にカフェを見つけて入店。店に入る際、縁石にタイヤを取られて落車するも、ディレイラーガードを付けていたので問題なし。

コーヒーとバゲットを注文したところ、1mほどもある長いフランスパンがでてきてびっくり。でもフランスのパンはとても柔らかく、バターをつけて食べるだけで不思議に美味しい。1/3を食べて、1/3をテイクアウトにしましたが、全部持ち帰ればよかったと後で後悔。

途中のケディアックはトイレとドリンク補給だけの7分ストップでリスタート。

このビアンキジャージの英国人と一緒に、引いたり引かれたりしながら進み、10:44にはタンテニアックへ到着。
この区間は普段の調子になり、良いペースで走れました。でもまだ借金は3時間もあります。

フージェール(919km地点)へ 54km / 16.7km/h
もう後がない。絶対にパリへ帰るという一心でとにかくペダルを回します。
この区間は、記憶が曖昧。14時にフージェールに到着しているので、11時すぎにタンテニアックを出発したとしたら、3時間弱で走破しています。これまでのスローペースと比べると明らかに速い。

フージェール到着。

ヴィレンヌ ラ ジュエル(1008km地点)へ 89km / 17.3km/h
ようやく本調子になってきているのでとにかく急ぐ。前半は眠くパワーが出なかったり、序盤で足がつってしまい、かばうように走ってきたのでまだ足が残っていました。

補給は途中の私設エイドを活用し、なるべくサンドイッチを食べます。フランスのオレンジジュースが気に入って、後半のドリンクはほぼオレンジジュースにしていました。

私設エイド本当にありがたい。

サンドイッチとオレンジジュースはPBPの標準補給食、といった感じ。

少し雲行きが怪しくなってきた、ような

19日19:43 ヴィレンヌ ラ ジュエルに到着。借金は1時間40分まで減少していました。これなら次のPCで、オンタイムに戻せるかもしれない!

あいかわらずこのPCは素晴らしい歓迎ぶり。到着時間が遅いためか食堂が空いていたので、食堂でパンとオレンジジュースを頂く。

オレンジジュースをボトルに入れ、空きビンを捨てるためゴミ箱を探そうと辺りを見回した時、沿道の方が「わたしが捨てておくわよ。早く出発して」と空きビンを受け取ってくれました。何気ないことですが、こういう応援はとても嬉しい。本当に応援してくれているんだなと思うと、力が湧いてきました。

丁寧にお礼を言って、出発。

モンターニュ オ ペルシュ(1089km地点)へ 81km / 15km/h
再び夜がきます。借金はどんどん減っているのでこの区間でオンタイムに戻すつもりで景気よく走行。夜とはいえ天気は良いし、バッテリーの残量も問題なし。夜が寒いことも理解しているのでウェアのレイヤリングで対応済み。懸念はない。

20日1:09にモンターニュ オ ペルシュ入り。この時点で、借金はわずか1分になっていました。

多少の余裕ができたので、ここで大休憩をとることに。食堂でパスタを食べました。

食堂は並んではいないですが、制限時間に近づいてきたのでかなり人も増えてきました。

食堂の床で仮眠をとり、3:26に再出発。

ドルー(1166km地点)へ 77km / 11.2km/h
次のPCには間に合うはず。気合を入れてスタートするも、すぐにマイクロスリープが頻発する状態に。「ランタン・ルージュ」と言われる、どこまでも続くテールライトの列に幻惑され、蛇行運転で路肩に入り込むこと多数。走っているのか夢を見ているのかわからない。前の人同士の会話が聞こえてくるような気がする。ふと我に返って、突然停止したりすることもありました。

何度も草むらで寝ても、それでも眠気は取れない。直線では蛇行し、意識がない状態で坂道を下ったりしていました。ふと気がつくと、すぐ前にいたライダーとの距離がかなり離れている。いつの間にか、かなりの台数に抜かれている。気がついてまたスピードを出して前のライダーに追いついても、また同じことの繰り返し。

周囲の方から「危ない!寝ろ!」と頻繁に言われる。前に進めていたことがむしろ不思議なくらいの状態でした。

ドルーに到着したのは20日の7:46。せっかく減らした借金は、また一時間10分に増えています。

ゴールのクローズ時間は11:30。残りの距離は64km、残り時間は3時間半。

借金は1時間以上あるけど、ここまできたらもう、やるしかない。

ゴール(1230km地点)へ 64km / 19.1km/h
残りの三時間は全ての力をかけて行くしかない。ドルーに到着後、すぐにコントロール駆け込み、力強く挨拶してすぐに飛び出していきました。
素早くサンドイッチだけは購入。これさえあれば補給はもう最後までなんとかなるでしょう。

出発後、Garminでコースを確認しながら徐行していたら、急停車した前走者に接触して落車。擦過傷はほとんどないものの、もしかすると肋骨を痛めたかもしれない。それでも、何も感じないくらい気合が入っていました。急停車した方は申し訳なさそうに何やら説明していましたが、「いやいやあなたは悪くないよ」と話して再びスタート。

ここからが勝負の3時間。ここで雨が降り始めました。それも小雨ではなく、本降り。

…だからどうした!。これまで晴れだったことを思えばなんでもない。この年のヘブンウィークの指宿600では、17時間続いた豪雨の中を走ったりもしていました。その時に比べれば、あとたったの3時間でしかない。夜は明けて明るくなっている。雨は、ペースを落とす障害にはならない。

一度は諦めた認定が視野に入り、気持ちは盛り上がっているものの、初めての1200kmの最終盤で体はガタガタです。
あと3時間、この3時間だけは足よ動いていくれと、と祈るような気持ちでひたすら踏み込みます。エネルギーをすべて使い果たすつもりで踏み込む。出し惜しみは無し。登りでも踏む。みるみるうちに減ってゆく目的地距離。たまにパンをかじる。フランスパンをトップチューブバッグに刺していたら、カメラが落ちて石畳で傷だらけに。素早く停止しカメラを拾って、すぐに元のトレインに追いつく。そのくらい、気迫を込めて走っていました。

次第にゴールが近づいてきます。案内の表示がある場所からは、なんだかんだで10km以上あるようです。周りの人はもうゴールを確信してパレードランモード。談笑しながらゆっくり、のんびり進んでいます。自分よりスタート時間が遅い人ばかりなのだから当然です。
しかし、自分と同じG組や、それよりもスタート時刻の早いF組は、間に合うかどうか、かなり際どい時間帯です。余裕がないのでとにかく急ぐ。制限時間ぎりぎりでは、もしゴール前に渋滞するようなことがあればタイムアウトになるかもしれない。そんなことまで考えます。

そして….

20日10:56ゴール!

スタートや折返しブレストでは、見栄えの良いゲートなどがありましたが、ゴールには何もなく簡素な柵があるだけでした。ゴールすると、周囲にいる人たちみんなが讃えてくれました。
ゴールゲートをくぐったら、すぐ前に前半を共に走ったUさんがいました。偶然にもほぼ同時にゴールしていたようです。(Uさんの方がスタート時刻が遅いのでタイムはかなり早い)

こうして、なんとか制限時間内にゴールすることができました。
一度はブレストでDNFを決めながら思い直して再度走り出し、途中のルデアックでは4時間半も制限時間をオーバーしながらの完走なので、感無量です。

折返しのブレストでは、まさか時間内にたどり着けるとは思っていませんでした。
ゴールタイムは89時間24分。制限時間のわずか30分前でした。奇跡が、おきました。

完走証

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ロンドンを起点に200kmほど自転車で走ることができたので、英国の自転車事情をまとめてみます。
■鉄道への自転車の持ち込み
自転車でそのまま改札を通過して鉄道に乗せることができるという、夢のような環境です。

National Railには自転車マークのある改札があり、輪行袋に入れたりせずに自転車をそのまま駅構内・改札内に持ちこむことができます。一部の車両のドアに自転車マークがあり、この車両には自転車をとめるスペースがあるので、この車両を見つけて乗車すればOK。
なのですが、自転車マークのあるドアが見つからなかった際、やむなく一般の車両に自転車を持ち込み、ドア付近に停めておきましたが車掌からは何も言われませんでした。

日本での輪行事情に慣れていると自転車をそのまま駅構内・改札に持ち込むことに背徳感を感じますが、イギリスでは至極当たり前のことらしく、混雑した駅の中でも誰も注意を払っていませんでした。

Paddington駅のプラットフォームには巨大な自転車置き場がありました。自転車と共に電車に乗る文化なのだなあと感じます。

Oxford駅の改札。自転車マークが見えます。

自転車マーク付きの車両ですが、駐輪の設備はなし。皆、無造作に自転車を置いていました。

コンセントとWIFI付き。

Paddington駅のプラットフォームにある巨大な自転車置場。
■地下鉄への自転車の持ち込み
地下鉄への持ち込みは「平日の通勤時間に限り、折りたたんだ状態でないと持ち込み不可」、それ以外の時間や休日は持ち込み可、のようです。
折りたたんだ状態であれば、袋に入れていない状態でもOK。乗客も駅員も自転車に対して全く注意を払う気配がありません。ブロンプトンの国だけにフォールディングバイクを運ぶのは日常的なことなのでしょう。

余程混んでいるときでなければ、おそらくロードバイクの前後輪を外しただけの状態でも何も言われないと思います。
■サイクリングロード
ロンドン市内・郊外共に自転車専用道が整備されている道が非常に多かったです。テムズ川沿いには気持ちよく走れる自転車道が整備されており、通勤時にはすごい数のサイクリストが行き交っていました。

路面の状況は日本とほぼ同じくらいか、場所によっては多少荒れているという程度。グラベルのような場所は少なく、総じて走りやすいです。

ロンドンの自転車専用道

ロンドン中心部は、自転車道と車道が明確に分かれている道が多かったです。これはテムズ川沿い。

オフィス街の中もしっかり自転車道が確保されていました。

Oxfordの自転車道。

郊外。路面が多少荒れているところもありました。

バッキンガム宮殿前の通勤風景。全面蛍光色のジャケット着用者が多いです。
■決して煽られない
ロンドンから東西にそれぞれ100km走ってみましたが、都会でも山の中でも車に煽られるということは全くありませんでした。これは2015年にパリ市内とPBPで1200kmを走ったときと同じ印象です。

車が自転車を追い越すときは1m以上の間隔を開けて、対向車線にはみ出す形で安全に抜いていきます。安全に追い越すスペースがない場合は自転車のペースに合わせて徐行するという徹底ぶり。日本であれば減速もせずに通過していくような幅員があっても追い越さず、後ろについて走る様子に驚きました。渋滞ができてしまうので路肩に停止して車を先に行かせると、ハンドサインやクラクションで挨拶をしてくれる点にも感動。

日本とのドライバーのマナーの差は明らかです。免許取得時の講習や法令なども整備されているのかもしれません。

イギリスを走ると、日本の車は自転車がいることを意識し、気遣ってくれていないのだなあと気付かされます。さすがは紳士の国です。

かなり間隔を開けて追い越す車の様子。
■駐輪事情
幸い盗難に合うことはありませんでしたが、ロンドン市内の自転車の盗難は多そうです。

駐輪していた自転車の多くがU字ロックを使用しており、前輪を含めたいわゆる地球ロックにしているものがほとんどでした。前輪・後輪のみ無くなっているものも多く、車輪やパーツの単位で盗まれるようでした。

自転車店もとても多く、スポーツサイクルの需要が多いようなのでパーツの転売も容易なのでしょう。ロンドン市内では、ワイヤーロックでは不十分だと言えそうです。

ロンドンはサンタンデールのレンタサイクルのポイントがいたるところにあるので、市内ではこれを利用する方が良さそうです。

多くの自転車が前輪にワイヤーを通していました。KRYPTONITEのU字ロック利用率が極めて高く、並んでいる全ての自転車がKRYPTONITEでロックされていることも多かったです。
かなり盗難を警戒していることがわかります。

サンタンデールのレンタサイクル。アプリを入れておくと空き状況を確認できて便利。
■自転車用品の価格
Evans Cyclesの路面店、Rapha、ロンドンの有名店Condorなど自転車店を5店ほど回ってみましたが、イギリス製の製品でも日本から海外通販で購入する価格とほとんど差はありませんでした。良くて1割安いという程度。

ブロンプトンについては例外で、日本で26万するNine Street Editionが20万(1375ポンド)で販売されていました。英国に行ったらお土産にブロンプトンを買うのが良いと言えましょう。

ロンドン市内を走っている自転車は、ロードバイク8割・ブロンプトン2割という印象です。それ以外の自転車は1〜2台程度しか見かけませんでした。

Condorでブロンプトンの試乗車が割引販売されていました。899ポンド=約13.3万円。
■まとめ
どこにでもある自転車道、自転車を尊重してくれるドライバー、それに自転車で乗り付けてそのままシームレスに電車に乗ることができる電車事情。英国はサイクリストにとって天国のような環境でした。

自転車でプラットフォームに乗り付けてそのまま電車に乗り、降りてまた自転車で移動できるという環境は想像以上に快適です。英国サイクリング、おすすめです。

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